レーザー測距技術により史上最大のマヤの遺跡を発見、メキシコ・タバスコ州

2020年7月2日

レーザー測距技術により史上最大のマヤの遺跡を発見
Youtube channel 「NPG Press」より”Aerial view of the Main Plateau of Aguada Fénix.”

今年6月、古代マヤ文明の遺跡を調査している考古学者らが最新技術を用いて、これまで発見されているなかで最大で、そして最古の構造物を発見した。この構造物は南北に1.4km、東西に0.4kmに渡って広がっており、今から約3,000年前に造られたものとされている。

発見されたのはメキシコ・タバスコ州にあるアグアダ・フェニックス遺跡の内部。これほどの巨大な構造物がなぜこれまで発見されてこなかったのか、現地を見れば一目瞭然だ。

この構造物は木々に覆われており、そしてあまりに巨大であることも理由のひとつだろう。このように上空から見たとしても、確認できるのはせいぜい幾何学的にみえる丘だけだ。

レーザー測距技術「LiDAR(ライダー)」

この大発見をもたらしたのは、現在考古学において最も注目されている最新技術「Light Detection and Ranging:LiDAR)」だ。これは飛行機やヘリコプター、ドローンなどからレーザーパルスを送信し、地表面から反射されたパルスを受信することで、その地形を解析する調査手法である。これを使えば、森に埋もれて隠れていた地形をも浮かび上がらせることができるのだ。

近年ではLiDARの観測精度がさらに高まり、これまでは1平方メートルあたり50点しか計測できなかったが、現在では300点以上も計測できるようになったという。

研究者らはまず、初期のマヤ文明があったことで知られる広大な領域を低解像度のLiDARでスキャンし、そしてこれを元に有望な領域を高い解像度のLiDARでスキャンすることで構造物の発見に成功した。


LiDARにより浮かび上がった構造物。@Newscientistより。

この構造物は何のために造られたのか?

水平方向に対してあまりに広いため分かりにくいが、この構造物は高さが9m以上もある。そこから総体積を導き出すと約370万立法メートル、なんとギザの大ピラミッドを凌ぐほどの構造物であることが明らかになったのだ。

放射性炭素による測定では、この構造物の建設が始まったのは約3,000年前とされており、マヤ人の祖先が建設したものとされているが、定住せずに遊牧民のような狩猟生活を送っていた彼らが、なぜこのような巨大な構造物の建設に至ったのかは不明だ。今回調査を行った研究者らは、定住前の人々によって巨大な建造物が造られることは世界的には珍しくなく、おそらく儀式のために造られたものと考えている。

LiDARのスキャンによれば、この構造物に続く9本の道路も確認でき、さらに指導者を敬うような彫像や彫刻が発見されないことから、この構造物の建造は当時のマヤ民族にとって”それほど不平等なものではなかった”と指摘されている。

今後の研究によっては、現在のマヤ文化の通説を覆す可能性もあり、さらなる発見に期待が高まっている。

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