アイザック・ニュートンがペストの治療法について記した原稿がオークションに出品される

アイザック・ニュートンがペストの治療法について記した原稿がオークションに出品される

アイザック・ニュートンは17世紀を代表する著名な物理学・数学者だ。万有引力の発見はもとより、ドイツの数学者であるライプニッツとほぼ同時に微分法と積分法を開発し、天文学や経済学だけでなく神学や錬金術にまで幅広い分野に渡って研究を行った。

このほど、ロンドンに本拠を置くオークションハウス「ボナムズ」である原稿が出品された。なんと、当時流行していたペストの治療法についてニュートンが書き記した手書きの原稿だ。

彼が学位を取った頃、ロンドンではペストが大流行しており、推定で10万人が死亡したという。彼の通うケンブリッジ大学は閉鎖され、ニュートンは故郷のウールスソープへと帰らなければならなかったが、驚くべきことにニュートンの三大業績と呼ばれている微積分法の発明、光学理論の発展、万有引力の発見はすべてこの1年半の休暇中に成しえたという。彼はこの期間について「創造的休暇」と称している。

このペストの治療法について書かれた原稿は、ロンドンに戻ってほどなくして特筆したといわれている。その方法とは、「ヒキガエルを煙突のなかで3日間足から吊るし、死んだ後で吐き出される吐瀉物と体液、排泄物、粉末にしたヒキガエルの体を使って薬を作り、患部に塗ることでペストの毒を抜くことができる」というものだ。

さらにはサファイアや琥珀などの石が”魔除け”の作用を持つことや、ペストが流行している場所を避けるといった一般的な対策も記されていたという。

当時は瘴気(しょうき)と呼ばれる存在が根強く信じられており、この瘴気に晒されることによって体液のバランスが崩れ、病気になると考えられてきた。血を抜いて体液のバランスを取り戻す伝統的治療法「瀉血」や、薬草、讃美歌などといった従来のあらゆる治療法が通用しなかったペストでは、独自に考案されたさまざまな治療法が試されてきたが、天才である彼がどのような論理的思考をもって、このような治療法を記したのかは定かでない。

この原稿はオークションで81,325ドル(約874万円)で落札されたという。