散歩中に飼い犬が海岸で魚竜の化石を発見、イギリス・サマセット州

2020年1月24日

イギリスの南西部のサマセット州で、男性が散歩させていた犬が偶然にも魚竜の化石を発見した。

クリスマスも近づいてきた2019年、54歳のジョン・ゴプシル(Jon Gopsill)氏は、嵐が去った翌日にスパニエルの愛犬「ポピー」と「サム」を連れてストルフォード・ビーチを散歩し、その途中でボールを投げて遊んでいた。ところが、ボール遊びの途中でサムが何かを発見した。

ゴプシル氏がいた場所は800mほどにも広がる大きな岩の地面で、サムが見つけた場所へ近づいてみると、そこには約170cmほどの化石が埋まっていたのだ。ゴプシル氏は発見当初、自分が何をすべきか戸惑っていたそうだが、とりあえず化石の写真を撮影してフェイスブックへ投稿した。その結果、写真は人々のあいだで瞬く間に拡散し、大きな注目を集めたという。最終的に、この発見は『ニューヨーク・ポスト』にまで掲載された。

やがて、ゴプシル氏のもとにはお金と引き換えに情報提供を求める人が現れたり、場所を突き止めて海岸まで化石を探しに来た人もみかけるようになったという。何者かによって化石の科学的価値が損なわれてしまうことを心配したゴプシル氏は、地元の自然歴史保全団体に連絡して12月27日に化石の岩を切り出してもらった。

見つかったのは魚竜の化石

発見された化石には頭部は無かったが、魚竜の化石であることが分かった。魚竜は恐竜よりも早くに出現した海生爬虫類で、恐竜よりも2,500万年早くに絶滅したとされている。もともとは陸上で生活していた爬虫類が水生化したものと考えられており、爬虫類であるにも関わらず現生のイルカと似た姿に進化している。大きさもだいたいイルカと同じ1.5m~3.3mほどで、2018年に発表された研究によると、どうやらイルカと同じような皮下脂肪まで備えていたようだ。

イギリス・サマセット州の海岸では2016年にも、体長25mにもなる巨大な魚竜「ショニサウルス」の化石が発見されており、魚竜研究において大きな成果をもたらした。今回発見された化石も、多くの人が何らかの新たな発見を期待している。もし、今後の調査によってこの化石が魚竜の新種であることが明らかになった場合は、ゴプシル氏は学名の命名権を得ることになる。

ゴプシル氏は、もし名前をつけるならば化石を発見した愛犬の名前「ポピー」と「サム」から、”ポピーサモサウルス”と名付けるつもりであるという。名前は動物命名法国際審議会での承認が必要となるが、もし認められれば愛犬の名前が恐竜の学名として歴史に刻まれることになるだろう。

発見された化石は、今後サマセット州で一般公開されるそうだ。

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