新型コロナウイルスの死者はなぜ女性より男性が多いのか

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新型コロナウイルスは記事作成現時点において、これまでに182の国と地域で44万7,000人以上に感染しており、死者数は2万人を突破した。感染者のデータが世界中から集まるなか、研究者らが特に注目しているのは男女差だ。

世界的にみても、新型コロナウイルス感染症による死者数は圧倒的に男性が多い。現在、死者数が7,500人以上のイタリアでは、陽性反応があった患者の約6割を男性が占め、死亡者の割合は男性が7割を超えている。つまり、女性の約2.3倍もの死亡率だ。中国では男性の死亡率が、女性の1.67倍であった。
興味深いことに、例えば韓国のように陽性患者の約6割を女性が占めるような場合においても、死亡者数の割合は男性が半数を上回るのだ。

新型コロナウイルスの感染者が多い20か国のうち、性別を発表している国は中国、イタリア、フランス、ドイツ、イラン、韓国の6か国のみだが、そのいずれの国も男性の方が死亡率が高い。日本では少なくとも、感染者数においてはほとんどの年代で男性が上回っている。

東洋経済オンライン 新型コロナウイルス国内感染の状況より 2020年3月26日時点

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新型コロナウイルスのような、呼吸器系に感染して重い症状を引き起こす疾患では、男性の方が死亡率が高いことが以前より指摘されており、過去に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)でも、男性の方が死亡率が高い傾向にあった。

女性では、子供を産むためにウイルス感染に対する免疫反応が強いといった生物学的な理由もあるが、専門家らは男性により多くみられるような、ある生活習慣が原因であると指摘している。呼吸機能に影響を与える生活習慣といえば喫煙だ。

2015年の世界統計によると、男性の喫煙者数は女性の約5倍だ。死亡者が最も多いイタリアにおける喫煙率は男性が28%、女性が20%。韓国では男性の喫煙率が50%にものぼるが、女性の喫煙率は5%しかない。
一方、日本における喫煙率はというと、2020年1月厚生労働省国民健康栄養調査によれば、男性が29%、女性が8.1%となっている。もしかしたら日本でも、今後の感染者数・死亡者数の増加に伴って、男女比に大きな差があらわれる可能性がある。

禁煙になかなか踏み出せない方はこの機会に、ぜひ禁煙を始めてみてはいかがだろうか。喫煙習慣はあなたが普段の生活で何も感じていなくても、必ず呼吸器に影響を与えている。COVID-19のような重い呼吸器症状を引き起こす感染症では、たとえ重症化を避けることができても、非喫煙者より長く苦しんでしまうことになるかもしれないのだ。