高血圧・高コレステロール治療薬の服用により健康的な習慣をやめてしまう可能性、トゥルク大学

高血圧または高コレステロール薬による治療を開始した後、運動や食事、適度な睡眠などといった健康的な習慣をやめてしまう傾向にあることを、フィンランドのトゥルク大学をはじめとする研究チームが明らかにした。この論文は、アメリカの循環器医学誌『Journal of the American Heart Association』のオンライン版に掲載されている。

研究チームらは、フィンランド在住の40歳以上の成人41,225名を対象に、13年に渡って体重や生活習慣について少なくとも2回以上の調査を行い、電子記録から新たに服用を始めた薬についても追跡した。その結果、コレステロール治療薬や高血圧治療薬の服用を開始した人は、服用していない人よりも次の調査までに体重が増加しており、肥満になる確率が82%高かったという。

また、薬を服用していない人は日常活動レベルに大きな変化がみられなかった一方で、薬の服用を始めた人では日常活動レベルがわずかに低下し、座りがちの生活となった人が8%多くなったという。

著者のMaarit Korhonen氏はこの研究結果について、コレステロール治療薬や高血圧治療薬によって体重が増加したり、不適切な生活習慣がもたらされることを証明するものではない、と述べている。

治療薬は有効であるが、健康的な食生活や運動の必要が無くなるわけではない。むしろ、健康的な生活習慣を続けたり、改善することによって薬の用量や治療費を抑え、副作用のリスクを低下させることができるのだ。また、よりよい生活習慣は全体的な健康状態を向上させ、あらゆる疾病を予防することにも繋がる。

喫煙や飲酒は改善される傾向も

一方で、今回の研究では薬の服用を開始した人では禁煙する確率が26%高くなり、全体的に飲酒量が抑えられていたという。喫煙と飲酒はそれぞれ心臓病の主要な危険因子であり、健康的な生活習慣をやめてしまう傾向がある一方で、健康に悪影響を及ぼす生活習慣については改善される傾向もあるようだ。

病気の発症や、それに伴う治療薬の服用は生活習慣を見直す良い機会だ。他の病気を予防するためにも、これまでの習慣を維持することはもちろん、改善することが大切だ。