大気汚染により世界の平均寿命は3年短縮、マックスプランク研究所

大気汚染により世界の平均寿命は3年短縮

大気汚染により、世界における平均寿命が約3年短縮しているという研究成果が3月3日、欧州心臓病学会誌『European Society of Cardiology』に掲載された。

ドイツのマックスプランク研究所やマインツ大学病院などの合同研究チームらは、新たな研究手法を駆使して世界の平均寿命における大気汚染による影響を推定した。大気汚染による影響は、同じように下気道感染や肺がんなどを引き起こす”喫煙による影響”などを考慮する必要があり、直接の死因の3分の2以上が心血管疾患によるものであることから、推定は非常に難しい。

大気汚染による健康への影響は喫煙の影響よりも大きい

この研究結果によると、大気汚染による年間死者数は約880万人であり、これはマラリアの19倍、エイズの9倍、アルコールの3倍にのぼるという。喫煙による年間死者数は推定約720万人であり、世界の平均寿命を約2.2年短縮させているが、大気汚染による死者数はその約1.2倍、世界の平均寿命を約3年近くも短縮させているという。大気汚染は、喫煙よりも大きな健康上のリスクであることが明らかになった。

論文の特筆者は、過去数十年間において喫煙よりも、大気汚染に払われる注意の方が遥かに小さかったことを指摘し、この研究は「世界において”大気汚染パンデミック”が発生していることを示したものだ」と述べている。特に大気汚染の影響が顕著であったのはアジアであり、平均寿命の短縮年数では中国で4.1年、インドで3.9年、パキスタンで3.8年と推定されているという。

大気汚染は化石燃料の使用といった人為的なものだけでなく、広範囲の砂塵や大規模な山火事などの自然発生によるものも含まれているが、大気汚染の約2/3は人間の活動に起因するものであり、論文の著者は化石燃料をクリーンな再生可能エネルギーに置き換えることで、年間で最大550万人の死が回避できる可能性があると指摘している。