心血管疾患は足に脂肪が多い「洋ナシ型」だと発症リスクが低くなる


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肥満はおもに”リンゴ型肥満”と”洋ナシ型肥満”に大別されるが、洋ナシ型肥満ではリンゴ型肥満の人や細身の人よりも心血管疾患にかかりにくいことをアルバート・アインシュタイン医科大学の研究チームが欧州心臓病学会誌にて発表した。

リンゴ型肥満とは?

リンゴ型肥満は、正確には内臓脂肪型肥満のことで、特に男性に多いタイプの肥満だ。上半身から腹部にかけて内臓脂肪が蓄積しやすく、肥満が進行するとリンゴのように丸っぽい体型となるのでリンゴ型肥満と呼ばれている。しかし、リンゴ型肥満の場合は見た目だけでは肥満になっているか分からない場合も多い。動脈硬化や脳卒中などの発症リスクとして知られており、悪性肥満とも呼ばれている。

洋ナシ型肥満とは?

一方で洋ナシ型肥満は、皮下脂肪型肥満と呼ばれるもので、特に女性に多いタイプの肥満だ。下腹部から太ももにかけて皮下脂肪が蓄積しやすく、肥満が進行すると上半身に比べ下半身が太るため洋ナシ型肥満と呼ばれている。このタイプでは合併症を併発する可能性は少ないため良性肥満と呼ばれている。

アルバート・アインシュタイン医科大学の研究チームは、50歳から79歳までのBMI指数が正常な閉経後の女性2,500人以上を集め、腹部や太ももの脂肪量を測定して「洋ナシ型」や「リンゴ型」、細身の「バナナ型」などのタイプに分類し、平均18年間に渡って追跡調査を行った。
調査期間中では202人が心血管疾患を発症し、105人が脳血管疾患を発症したという。このうち、重複した患者は16人だった。

研究チームがデータを分析した結果、体全体の脂肪の量と心血管疾患のリスクに関連は見られなかったが、腹部の内臓脂肪が多い「リンゴ型」では、下腹部から太ももにかけて脂肪が多い「洋ナシ型」よりも心血管疾患のリスクが3倍以上になることが明らかとなった。心血管疾患では体全体で脂肪が多いことはあまり関係なく、「脂肪が体のどこに蓄積しているのか」が重要らしい。

今回の研究では、興味深いことに「洋ナシ型」では細身の「バナナ型」よりも心血管疾患のリスクが低かったことも明らかになったという。研究チームによると、様々な疾患の原因となるコレステロール値の異常やインスリンの働き、慢性炎症などのリスクは腹部に内臓脂肪が多い場合では高くなるが、足に脂肪が多いと逆にリスクが低くなるという。脚に蓄積した脂肪が、どのようにして心血管疾患のリスクを低減させているのか――研究チームは今後さらに詳しく調べる方針であるという。