砂糖入り飲料とがんの発症リスクの関連性が明らかになる

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本格的な夏を迎えると、暑い日には炭酸飲料や果物飲料、スポーツドリンクなどの清涼飲料を飲みたくなるが、こうした糖分の摂り過ぎには注意が必要だ。糖分を多く含む清涼飲料水の摂取は肥満に大きく関係しており、さらに肥満は様々な病気の発症に大きな影響を与えている。意外に思われる方がいるかもしれないが、「がん」もその一つだ。世界がん研究基金(World Cancer Research Fund)の報告によると、肥満は食道がんや膵臓がん、肝臓がん、大腸がん、腎臓がん、乳がんのリスクを「確実」に上昇させるという。

今回、2019年7月にイギリスの医学誌「British Medical Journal」で発表された約10万人を対象とする大規模な調査では、炭酸飲料や果物飲料などの砂糖入り飲料の摂取とがんの発症リスクの上昇には明らかな関連がみられたという。

フランスの研究チームは、オンライン上で成人10万人を対象に食事に関するアンケートを行い、最長で約9年間の追跡調査を行った。対象者の平均年齢は42歳、女性の割合は79%であったという。

その後、研究者らは砂糖入り飲料の1日あたりの消費量と、対象者の医療記録にあるがんの発症件数を比較して解析した。追跡調査期間中にがんと診断された件数は2,193件、診断時の平均年齢は59歳であったが、砂糖入り飲料との関連については驚くべき結果が明らかになった。調査結果によると、砂糖入り飲料を1日あたりわずか100ml多く摂取するだけでがんの発症リスクは18%上昇するという。特に乳がんの場合ではリスクが22%も上昇していた。

WHOが提唱する「ソーダ税」

世界保健機関(WHO)は、2016年に肥満や糖尿病を減らすために砂糖入り飲料への課税、いわゆる「ソーダ税」を課すように呼び掛けており、アメリカでは2015年からカリフォルニア州バークレー市や、ペンシルベニア州フィラデルフィアなど一部の地域で実際に導入されている。課税に伴ってこうした砂糖入り飲料の売り上げは減少しており、2019年のフィラデルフィア市では前年比で約38%の減少になると予想されている。
市民の健康への影響はまだ明らかではないが、今回の論文においても特筆者は「砂糖入り飲料への課税はがんの発症率に大きな影響をもたらす可能性がある」としている。

日本ではもちろんソーダ税は導入されていないが、砂糖入り飲料の消費量を抑えるように気を付けることはできるはずだ。今年の夏、炭酸飲料を手に取る前に少し我慢して、かわりにお茶を選んでみてはいかがだろうか?