ヤギは鳴き声で周囲に感情を伝える、ロンドン大学の研究

2019年7月15日


Goat flickr photo by mle.truc shared under a Creative Commons (BY) license

ヒト以外の動物が、どれほど複雑な感情を持っているか――研究者はこれまで、ヒトに近い類人猿をはじめ、犬や猫、馬やウサギなど様々な動物で確かめてきた。感情を表現し、仲間とコミュニケーションを取ることは高い知能を持ち、高度な社会性があることを意味している。

イギリスのロンドン大学クイーンメアリー校の研究者らはヤギが持つ感情に注目している。2019年7月、動物学の専門誌「Frontiers in Zoology」に発表された研究結果によるとヤギは鳴き声で感情表現して、仲間に伝えているという。
研究者らは大好物のエサをバケツに詰めてヤギの元へと運び、このときにヤギが発する鳴き声を録音した。一方で、自分だけエサが与えられていないという状況でのヤギの鳴き声も録音する。

録音したこの2種類の鳴き声を、今度はヤギから見えないようにスピーカーから別のヤギに聞かせて、その反応を調べた。鳴き声の種類を切り替えると、ヤギは振り返って声のする方へ歩きまわるような傾向が見られた。この実験によってヤギは鳴き声に対して感情を区別し、行動を起こしていることが示唆された。

ヤギの感情表現に対する反応をより科学的に検証するために、研究者はヤギの心拍数の変化を測定した。すると、ヤギがエサを貰うときに発する「嬉しい鳴き声」を聞いたヤギの心拍数は低下してリラックスした状態となり、逆にエサを与えられないときに発する「不満を示す鳴き声」を聞くとヤギの心拍数は上昇して不安な状態になることが分かった。どうやらヤギの「嬉しい鳴き声」や「不満な鳴き声」は、周囲のヤギにも波及効果をもたらすようだ。


Pygmy Goat flickr photo by andrew_j_w shared under a Creative Commons (BY-SA) license

2018年に行われた同大学の研究では、ヤギは人の笑顔の写真怒った写真では笑顔の写真に対して好意的な行動を取る傾向にあり、さらに笑顔の写真に反応した時間が長かったことから、人の感情を区別し、さらに笑顔の人に対して好感を示すことが確かめられたという。
ときに不愛想見えてしまうヤギだが、私たちが考えているよりも感情豊かで温かな動物なのだ。

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