ペルーで「ギラン・バレー症候群」が集団発生、原因は不明


Plaza de Armas, Lima flickr photo by Thomas Flores shared under a Creative Commons (BY-SA) license

ペルーの首都であるリマや、北部の観光地などで「ギラン・バレー症候群」を発症したという報告が相次いでおり、患者の数は200人以上、うち4人が死亡しているという。しかしながら、この病気は年間発症率が10万人に1人ともいわれる非常に稀な病気であり、通常は人から人へと伝染することはない。
ペルー政府は非常事態宣言を発令して早急に対策を進めているが、一体何が起きているのだろうか?

ギラン・バレー症候群とは?

ギラン・バレー症候群は自己免疫疾患の一種で、自身の免疫機構が末梢神経を攻撃することによって生じると考えられている。発症すると足から筋力低下が始まり、次第に身体の上部へと広がっていく。筋力低下は3週間以内にピークを迎え、多くの患者は数か月間で大きく改善するが、重症の場合は筋力低下が呼吸筋にまで到達することもあり、最悪の場合は死に至る。

ギラン・バレー症候群の詳しい発症メカニズムは分かっていないが、実は患者の60~70%は数週間前に何らかのウイルスまたは細菌などの感染症がきっかけとなって発症しているという。原因となるウイルスや細菌にはインフルエンザウイルスや麻疹ウイルス、食中毒の原因として知られるカンピロバクター菌、サルモネラ菌などが報告されており、意外にも身近なものが多い。

今回、ペルーで発生したギラン・バレー症候群の集団発生も何らかのウイルスまたは細菌の流行が関与していると考えられており、地元当局はギラン・バレー症候群の発生地域でジカ熱もみられることから、ジカウイルスの感染がギラン・バレー症候群の発症要因とみて現地に専門医を派遣して調査を行っているという。

ジカ熱は蚊を媒介としてジカウイルスに感染することによって引き起こされる。渡航中にジカ熱を発症することはもちろん大変だが、ギラン・バレー症候群では生涯に渡って運動機能障害が残ることもある重篤な病気だ。渡航の際には長袖や長ズボンを着用して、蚊に刺されないよう十分な対策を行う必要があるだろう。