トランプゲームの国際大会でドーピングにより1年間の出場停止?


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「コントラクトブリッジ」というトランプゲームにおいて、世界第1位の選手であるモナコのゲイル・ヘルゲモ氏(49)が、2018年9月のアメリカ・フロリダで行われた国際大会で薬物反応が確認され、1年間の出場停止処分と調査費約4,000ユーロ(約51万円)の支払いを命じられた。コントラクトブリッジはポーカーとジン・ラミーに並んで世界三大カードゲームに数えられる、トランプを使って行われるゲームで、4人2組となって対戦する。

陽性反応が確認されたのはテストステロンという男性ホルモン値だ。このホルモン値を増やすと闘争心や筋力を高め、身体的パフォーマンスを向上させることができる。男性が女性よりも筋肉が発達しやすいのは主にこのテストステロンによるもので、近年ではこのテストステロンの分泌量が非常に高い「性分化疾患」を持つ女性をめぐって問題となった。(参考記事:国際陸上競技連盟が女性選手の「男性ホルモン値」に関して新規則を導入)

ドーピングは本当に効果があったのか?

確かにテストステロン値を上昇させることは闘争心を高めるが、一般には筋力を高めることを目的とするものだ。今回、薬物検査が行われたというのも、コントラクトブリッジは国際オリンピック委員会からチェスと同様にマインドスポーツとして正式に認定されており、他のオリンピック競技と同様に公正さを保つために行われているもので、ドーピングにおける影響が明確に明らかになっているというわけではない。マインドゲームに対して、ドーピングは本当に効果があるのだろうか?

ミズーリ大学が大学生42人を対象にチームプレイゲームを行い、そのときのテストステロン値を調べた実験では、興味深いことに勝ったチームの学生は負けたチームの学生よりもテストステロン値が高く、チームに貢献したプレイヤーでは特にその傾向が強かったという。テストステロン値の上昇とマインドゲームの優位性については、何らかの関連性があるのかもしれない。

ゲイル・ヘルゲモ氏がなぜ薬物検査で陽性反応が出たのかについて詳しい経緯は明らかではないが、世界トップレベルの競技においては、わずかな影響が大きな優位性に繋がる。これからの研究によって、マインドスポーツにおける薬物使用の取り締まりはさらに厳しくなるかもしれない。