State of Queensland [CC BY 3.0 au] wikimedia commons
2019年2月19日、オーストラリア政府はグレートバリアリーフに生息するげっ歯類動物の絶滅を宣言した。絶滅したのはブランブル・ケイ・メロミス(Bramble Cay melomys)、学名では Melomys rubicola と呼ばれるネズミの一種で、鼻先からお尻までの長さは15cm程度。
NASA 2000年撮影。
このブランブル・ケイ・メロミスが生息していたのはオーストラリアのグレートバリアリーフにあるトレス海峡諸島の北端、サンゴ礁によってできたブランブル・ケイという島だ。面積は東京ドームの半分程度で、砂と生い茂った植物があるだけのこの島は海抜約3mほどしかないため、ここ10年間の間に地球温暖化に伴う海水面上昇によって何度も水没しているという。
ブランブル・ケイ・メロミスは2009年の目撃例を最後にこれまで発見されていなかった。2016年にはクイーンズランド大学によって絶滅が発表され、今回ついにオーストラリアの環境省によって正式に絶滅種のリストへと移行された。今回の絶滅宣言は、人間の活動による気候変動の影響で哺乳類が絶滅した恐らく最初の例として注目を集めている。