健康だった乳幼児が突然亡くなってしまう乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?

2018年11月2日


Baby feet flickr photo by bertobox shared under a Creative Commons (BY-SA) license

昨日まで元気だった赤ちゃんが、翌朝に息を引き取っていた――病気もなく健康だった1歳未満の乳幼児が突然死してしまう乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome:以下、SIDS)によって、日本では毎年150人ほどの赤ちゃんが命を落としている。死亡した乳児の90%は生後6か月未満で、生後2~4か月の赤ちゃんに最も多くみられるという。

SIDSを発症するメカニズムについては、今のところ明らかになっていない。ただ、呼吸が停止したり血中の酸素レベルが低下した徴候がみられることが多く、一時的に無呼吸状態となってしまった乳幼児が、呼吸制御機能が未熟なために、無呼吸からの回復が遅れてしまうことが原因であると考えられている。しかしながら、SIDSを発症させる確率を高めるリスク要因は明らかとなっており、以下の通りになっている。

乳幼児突然死症候群の発症リスクを上昇させる要因

・うつ伏せ寝
・柔らかいベッドや毛布などの寝具を使用する
・妊娠中や子育て中の周囲の喫煙
・母乳以外の栄養方法
・保護者の添い寝
・低体重児
・風邪を引いた乳児
・蘇生を行ったことのある乳児

保護者の添い寝は意外に思われるかもしれないが、寝具が赤ちゃんの顔に覆いかぶさったり、腕などが赤ちゃんの頭や胸にかかると無呼吸状態となるリスクが高まる。これらのうち、特に”うつ伏せ寝”は大きなリスク要因であると考えられており、赤ちゃんの仰向け寝が推奨されるようになってからはSIDSの発生数は劇的に減少した。ただし、赤ちゃんを仰向けにし過ぎたために、まだ柔らかい赤ちゃんの頭蓋骨が変形してしまうというケースが急増している。これを防ぐには、「保護者が側にいるときに限って、赤ちゃんを腹ばいにして過ごす」というタミータイムを設けると良いだろう。

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SIDSでは、例えば揺さぶられっ子症候群などの虐待と鑑別するために取り調べが行われる場合がある。我が子を失った遺族は深い悲しみや罪悪感に襲われるうえに、警察による追及によってさらに傷つく恐れもある。

SIDSでは、とにかく発症のリスクを上昇させる要因をできる限りなくして予防する他ない。この病気についてや、病気を引き起こす可能性のある要因について周囲としっかりと話し合い、多くの人ができるだけ長い間、乳幼児を見守れるような体制を作っておくことが大切だ。

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