占いが当たっているように感じてしまう心理的効果とは?

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太古の昔から行われた占いは現代まで続いており、占う方法や占う内容なども国や地域、流派など多岐に渡る。以前紹介した、黒猫が道を横切ると不吉になるという吉凶占いもその1例だ。(参考記事:「魔女の使い魔」とされた不吉な象徴の黒猫は、本当は幸福の象徴だった?)

なかでも人気で、多くの支持を集めているのが血液型や星座、生年月日などから占う性格占いだ。しかし、こうした占いはときに心理的な効果を用いて当たりやすいように仕向けられ、不正なビジネスなどに悪用されることもある。例えば、下記の文章にあなたはどれくらい当てはまっているか試してみよう。

①基本的に熱しやすく冷めやすいが、深く熱中したものには長い付き合いになるものがある。
②嫌なことはどうしても我慢することができない性格である。
③苦手な人とでもある程度うまく合わせることができる。
④実は傷つきやすく、寂しがり屋な方である。
⑤ときどき、自信が持てなくなることがある。

恐らく、多くの人は自分に当てはまるような内容だと思ったのではないだろうか。これは占いなどによく用いられる傾向の文章で、当たり障りのない内容であったり、多くの人が当てはまる内容で書かれているのだ。このように、性格に関する記述が自分だけにあてはまるものだと思ってしまう心理的効果をバーナム効果という。

①の「基本的に熱しやすく冷めやすいが、熱中したものには長い付き合いになるものがある。」の項目を読んだとき、人は無意識のうちに「熱中したがすぐに飽きてしまったこと」を思い返す。熱中しやすいかどうかは人それぞれだが、これは誰にでも起こりうることだ。「あれは簡単には飽きなかった」という反例を思い浮かべても、次の「長い付き合いになるものがある」という文章で多くの人は納得するだろう。

②の「嫌なことはどうしても我慢することができない性格である」という項目も同様に、我慢できなかったエピソードを思い出して、自分に当てはまるものだと思ってしまう。
また、”嫌なこと”といった、人によって基準の異なる曖昧(あいまい)な表現を使っていることも見分けるポイントの1つだ。例えば、ある程度は我慢できる性格の人でも、どうしても我慢できない”嫌なこと”はあるはずだ。”嫌なこと”の程度や内容などの具体性を出さないことで、それぞれの人がそれぞれの”嫌なこと”を思い出し、都合よく解釈してしまうのだ。

③の「苦手な人とでもある程度うまく合わせることができる。」も、学校や社会で苦手な人とも付き合わなければならなかった経験は、多くの人が持っているだろう。また「ある程度」という曖昧な表現も②と同じ手法を用いている。
実は、この項目③は、項目②と反対のような性質を持っているのだ。

項目②の「我慢することができない性格である」という記述が当てはまらない人、つまり何にでも我慢強い性格の人は、項目③の「苦手な人とでも合わせられる」という記述についてよく当てはまると思いやすい。このように性質が反対のような文章を2つ合わせることで、少なくともどちらか一方の項目は確実に「当てはまっている」と思わせることができるのだ。

④の「実は傷つきやすく、寂しがり屋な方である。」という項目では、”実は”というフレーズを用いることによって、相手に「本当は自分はこんな性格だったのか」と納得させるような内容になっている。

⑤の「ときどき、自信が持てなくなることがある。」という項目も、”ときどき”の頻度は人によって数日あるいは数週間とは差があるものの、自信が無くなってしまうのは誰にでもあることだ。

このような文章を見分けるための重要なポイントは「曖昧で具体性のない表現を使っている」ことと「多くの人が当てはまるような内容になっている」こと、そして「文章の前後、または2つの文章で反対の内容が書かれている」ことだ。しかしこれを知った後でも、雑誌やテレビの占いをついつい見てしまうのは何故だろうか。