汗をかいたり、体温を上げると痩せることができるのか?

2018年6月27日

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ダイエットを目的としてサウナに行ったり熱いお湯に入ったり、わざと厚着をしたりして汗をかいて痩せるといった方法が紹介されることがある。確かに汗をかくとすっきりとして爽やかな気持ちになるが、これで本当に痩せることができるのだろうか?

人が運動すると痩せることができるのは筋肉を動かすために必要なエネルギーを、体内に蓄積されている脂肪を分解することによって得ているからだ。このとき、筋肉は同時に熱も発生させるため、この体内に溜まった熱を放出するために人は汗をかく。つまり、人が汗をかくのは脂肪が分解されることとは関係なく、単に体内に溜まった熱を放出するために過ぎないのだ。よって汗をかくと痩せることができるというのは誤りだ。

では、体温を上げることによって痩せることはできるのだろうか?確かに、厚生労働省の『運動の基礎科学』には「体温が1℃上昇すると基礎代謝量は13%増加する」とある。

その前に、まず基礎代謝とは何か考えてみよう。例えば、身体の筋肉は常に熱を発生させているので、何もしていなくても身体は熱を生み出すためにカロリーを消費し続ける。これが基礎代謝であり、「基礎代謝量が増加する」ということは、何もしていなくても消費されるカロリー量が増えるということを意味しているのだ。

さて、「体温が1℃上昇すると基礎代謝量は13%増加する」ということであるが、これはあくまで「筋肉が自ら熱を発生させることによって体温が1℃上昇したときに、自然に消費されるカロリー量(基礎代謝量)が13%増加する」という意味であって、お湯などといった外部からの熱によって体温を1℃上昇させても基礎代謝は上昇しない。つまり、多くのカロリーを消費するわけではないのだ。

入浴時の運動強度はおよそ1.5~2METs(メッツ)とされているので、体重50kgの人が20分間入浴したときの消費カロリーはおよそ35kcal(カロリー)ということになる。

ただし、入浴などによって体温を上昇させると血流量が増え、老廃物を排出して新しい細胞を作り出す「新陳代謝」が良くなるため美容には効果的だ。あくまで、体温を上げることによるダイエットはほとんど意味がない、ということは覚えておこう。

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