国立がん研究センターが推奨する、がんを防ぐための生活習慣とは?

2017年11月27日

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生涯でがんと診断される割合はおよそ3人に1人といわれている。ハダカデバネズミなどの例外を除いて、あらゆる動物は高齢になるにつれ、免疫機能や代謝機能の低下に伴ってがんを患ってしまう。動物として生きる以上、がんになってしまうのは仕方のないことかもしれない。それでも、ガンを患うことなく天寿を全うしたいと誰もが思うはずだ。がんを防ぐためにはどのような生活習慣を送ればいいのだろうか?

国立がん研究センターの研究によれば、がんになってしまう原因の半分は生活習慣にあるという。つまり、健康な生活習慣を送ることができればがんになってしまう可能性は半減するということだ。そこで、国立がん研究センターは以下の5つの健康習慣を推奨している。

1.禁煙する

たばこは現在明らかになっているなかで最も大きなリスク要因であるといえる。初めて発がん作用が認められた物質もタバコに含まれるコールタールであった。タバコに含まれる発がん性物質や有害物質は少なくとも200種類以上あるといわれており、タバコを吸う人は吸わない人と比較してがんになるリスクは約1.5倍にもなる。また、タバコを吸わない人でも、タバコから出る煙や喫煙者が吐き出した煙(副流煙)を吸ってしまう受動喫煙によっても肺がんや乳がんなどのリスクを上昇させてしまうので、夫または妻が喫煙者である場合は夫婦で協力して禁煙を行っていくことが大切だ。

2.節酒する

近年では否定的な研究もいくつか報告されているが、少なくとも欧州の数多くの研究や国立がん研究センターの調査によれば、適度な飲酒は心筋梗塞を予防することが確認されている。しかし、多量のアルコール摂取はやはり食道がんや大腸がん,すい臓がんなどのリスクを高め、さらに女性の場合は男性よりもアルコールの影響を受けやすいことが研究調査により明らかとなっている。アルコール摂取量は1日あたり約23g程度に止めて、適度に休肝日を設けよう。アルコール量約23gは日本酒なら1合分,ビールなら大瓶1本分,ワインなら1/3本分に相当する。

3.食生活を見直す

塩分摂取量が多いと胃がんのリスクが高まり、野菜と果物の摂取量が多いと食道がんや大腸がんなどのリスクが低くなるとされている。食事に関してはあらゆる生活習慣病の予防にも繋がるので日常の中で常に意識しておきたい。塩分摂取量の摂取基準は1日当たり男性で8g未満,女性で7g未満とされており、濃い味付けや加工肉を減らすことによって塩分摂取量を抑えることができる。野菜や果物は偏りなくできるだけ多く食事に取り入れていきたい。厚生労働省の策定では野菜を1日あたり350g摂取することを目標としている。また、熱い飲み物や食べ物は食道がんや口腔がんなどのリスクを高めるため、少し冷ましてから口にするよう心がけよう。

4.身体をよく動かす

日常的に身体活動量が多いほど有意に全体的ながんの発症リスクが低くなることが国立がん研究センターの研究報告により明らかとなっており、男性では結腸がんや肝臓がん、女性では胃がんにおいて特に発症リスクの低下がみられたという。厚生労働省が推奨する身体活動量の目安では、18歳から64歳までの人は「歩行または同等以上の強度の身体活動を毎日60分行うこと」に加え「息がはずみ汗をかく程度の運動を毎週60分程度行うこと」とされており、65歳以上の高齢者では「強度を問わず身体活動を毎日40分行うこと」としている。デスクワークが多く、通勤に乗り物をよく利用する人は一駅歩いたり、朝や夕方にウォーキングを行うなど少しでも運動習慣を作ることが大切だ。60分でなくとも、40分でも20分でも積み重なれば健康に大きく影響するのでまず始めてみることが大切だ。

5.適正体重を維持する

がんを含めたあらゆる死亡リスクは太り過ぎていても痩せ過ぎていてもそれぞれ上昇することが明らかとなっている。がんの死亡リスクに関しては、太っている人より痩せている人の方が死亡リスクが高くなるが、たばこを吸わない人は痩せていてもがんの死亡リスクが高くならないことが報告されている。女性の場合は太り過ぎ(BMI指数30~40程度)でがんによる死亡リスクが25%も高くなり、特に閉経後は太り過ぎが乳がんのリスクを高めることが報告されている。
身長の2乗で体重を割った値、つまり「体重÷(身長×身長)」で算出されるBMI指数は男性で21~27、女性では21~25の範囲になるように体重管理を行っていこう。

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