「魔女の使い魔」とされた不吉な象徴の黒猫は、本当は幸運の象徴だった?

2017年11月5日


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13日の金曜日や666や4・9という数字、靴ひもがちぎれたり朝に蜘蛛が現れるといった出来事など、世界中には不吉な象徴や凶兆などが数多く存在する。なかでも最も有名なのが黒猫だ。少なくともこの日本で、最も「不運な」動物は恐らく黒猫なのだろう。黒い毛を持って生まれたばかりに、不吉なものの象徴というレッテルを貼られてしまう。中世ヨーロッパでは魔女の使い魔とみなされ、ペスト流行の原因とも考えられたため多くの命が奪われた。2009年にはハロウィンの時期となる10月に黒猫の虐待が増加するという”驚くべき”調査結果をイギリス王立動物虐待防止協会が発表している。

日本を含め、アメリカやドイツ、スペインなど世界中の多くの国では「黒猫は不吉なものの象徴」という考えが広く浸透してしまい、人や地域によっては執拗に追い回したり叩かれたりしてしまうといった不遇を受けるなどして文字通り”毛嫌い”されている黒猫であるが、実のところ黒猫を「幸運の象徴」としている国も少なくない。

招き猫の色が一般に白いのは白猫が繁栄と幸運を象徴するものとされていたからという説がある。確かに黒猫が不吉なものの象徴とされる一方で、白猫を「幸運の象徴」としている国も多い。しかしイギリスを初めとする一部の国ではこれが逆転し、黒猫が幸運の象徴であり白猫が不吉なものの象徴となっている。この黒猫がもたらす幸運は特に良縁にまつわる言い伝えが多く、道で黒猫に会うと良い出会いが訪れたり、黒猫を家で飼うと幸せな夫婦生活が送れるのだという。

現代でこそ黒猫を不吉なものの象徴としている日本も、実はかつて黒猫を幸運の象徴としていた国の1つであった。黒色の猫は古くには「烏猫(からすねこ)」と呼ばれ厄除けとして庇護されていたのだ。さらには黒猫を飼うと江戸時代に猛威を振るった労咳(ろうがい)、現代でいう肺結核が治るという俗信まであったという。


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残念なことに、世界では黒い姿や異様な鳴き声から「悪魔」と呼ばれて迫害され、ついには絶滅寸前にまで追い詰められたアイアイやタスマニアデビルなどの動物もいる。もしあなたが黒猫に対して偏見を持っているのならそれは大きな誤解なのだ。迷信に対する考えを改め、見つめ直すことは人間にとっても黒猫にとっても幸福なことに違いない。

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