アルツハイマー病と認知症はどう違うのか――認知症の種類とは?

2017年11月12日


Waiting for Time flickr photo by Andrew Stawarz shared under a Creative Commons (BY-ND) license

既に超高齢化社会を迎えた日本。近年では高齢者に多くみられる病気を知る機会は格段に多くなってきた。その一方で、従来からの名称や新しく導入された名称、これまで知られていなかった名称などを混同してしまう事態も多くなってきた。例えば痴呆(ちほう)や認知症、アルツハイマー病などはどれも認知機能の低下などを指す名称であるが、これらの名称の違いをしっかり説明できるだろうか?

上記の名称のうち「痴呆」という名称が一番聞き慣れている、という方も少なくないだろう。痴呆は従来までに使用されていた名称で、2004年に差別的な言葉として問題視されてから現在では「認知症」という言葉が使われるようになった。つまり「痴呆」と「認知症」はどちらも同じ意味を指す言葉なのだ。

「認知症(痴呆)」とは、記憶力や判断力・知能の低下などといった病気全般を指す言葉であり、実は単一の病気を指す言葉ではない。例えば脳梗塞や脳出血の後遺症として現れる「脳血管性認知症」や、レビー小体と呼ばれる特殊なタンパク質が脳幹や大脳新皮質などに異常に蓄積して起きる「レビー小体型認知症」など、認知機能の低下を引き起こす病気は様々であるが、これらは全て認知症ということになる。

認知症(旧名:痴呆)の種類

・脳血管性認知症
・レビー小体型認知症
・アルコール性認知症
・前頭側頭型認知症
・アルツハイマー型認知症

そして、認知症のなかで最も多くの割合を占めるのが「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」だ。アルツハイマー病はドイツの医師アロイス・アルツハイマーによって初めて報告された病気で、患者の脳内にはアミロイドβタンパク質が凝集して蓄積した「老人斑」や、タウタンパク質が線維化して蓄積した「神経原線維変化」といった構造体がみられるという特徴がある。

認知症になってしまう原因は様々であるが、症状だけみるとどれも同じ病気に見えてしまう。原因が違えば治療法も変わってくるので介護者は患者がどのような種類の認知症であるかをしっかりと理解しておく必要がある。一度死んでしまった脳神経細胞はもう元に戻ることは無いので基本的に治ることのない病気であるが、薬の副作用や脳の病気によって一時的に認知機能が低下している場合もある(せん妄)。患者が高齢である場合は認知症と間違われることもあるので、症状が気になる方はまずかかりつけ医に相談してみるといいだろう。

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