歯磨き粉にはなぜフッ素が配合されているのか?

2017年9月18日


Day 341: Don’t Forget flickr photo by tsmall shared under a Creative Commons (BY-SA) license

多くの歯磨き粉製品にはフッ素が配合されているという説明がある。また、虫歯予防のために「フッ素を塗布」したことのある人も多いだろう。このように、虫歯対策には必ずといっていいほど登場するフッ素であるが、そもそもフッ素とは元素記号Fで表されるハロゲンの一種で、常温では気体として存在する。本来は猛毒であるはずのフッ素がなぜ歯磨き粉に使われているのだろうか?

もちろん、歯磨き粉にフッ素がそのまま使われているわけではない。歯磨き粉で使われているフッ素の多くは主にフッ化ナトリウムなどの化合物の形で使われている。もちろん全く毒性が無くなったわけではないが、毒性の高い塩素がナトリウムと化合すると無害な塩になることと同様に猛毒として知られるフッ素の毒性がそのまま引き継がれるわけではないのだ。多くの歯磨き粉ではフッ化物濃度が1000ppm未満とごく微量なので、毒性における影響はあまり心配しなくても良いだろう。

歯の表面はエナメル質という硬い物質で覆われているが、実は酸に弱いため虫歯菌が作り出す酸によって容易に浸食されてしまう。しかしそこにフッ素が加わるとエナメル質のハイドロキシアパタイトが酸に強いフルオロキシアパタイトに変質するため、虫歯に対して強くなるのだ。

しかしながらフッ素配合の歯磨き粉で酸に強い歯を作ればもう大丈夫、というわけでもない。ブラッシングが行き届いていなかったり不十分であったりすると虫歯ができてしまうこともあるし、強くなった歯が歯周病などによって抜けてしまえば本末転倒というものだ。効果的なブラッシングやキシリトールの摂取、デンタルフロスやデンタルリンスの使用など総合的なオーラルケアを行っていくことが大切なのだ。

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