地球を取り巻く「スペースデブリ」の脅威とは?


Earth flickr photo by Kevin M. Gill shared under a Creative Commons (BY) license

スペースデブリとは、「有益な目的に使うことができない地球の周回軌道上に存在する人工物」の総称である。つまりは、人工衛星などとして運用されていない、地球の周りにある宇宙ゴミのことだ。おそらく、誰でも一度は聞いたことがあるのではないだろうか。人類が宇宙で活動するにあたり、このスペースデブリの発生は避けられない。

スペースデブリには打ち上げに使用されたロケットの上部や、運用が終了または制御に失敗した人工衛星、ロケットの爆発やデブリ同士の衝突などによって生じたものなどがあり、ネジやボルトなどの小さなものから大型バス程度の大きなものまである。
このうち4インチ(約10cm)以上のものはアメリカの宇宙監視ネットワークによって追跡されており、運用されている人工衛星などを含めて23,000個以上もの人工物が常に監視されている。これより小さなデブリは地上からのレーダーで観測することはできないが、1億個以上もあるともいわれている。

宇宙ゴミであるからといって、海に浮かぶ空き缶のようにプカプカと宇宙を漂っているわけではない。高度にもよるが、2,000km以下の低軌道に存在するスペースデブリは秒速7~8kmという驚くべき速さで地球を周回している。ライフル銃から放たれる弾の速度が秒速1km程度であることを考えると、たった数cmのスペースデブリでも衝突すればそのエネルギーは凄まじいものになる。国際宇宙ステーション(ISS)では年に1回程度の割合で、危険なスペースデブリとの衝突を回避する操作を行っている。


ISS flickr photo by Caroline Davis2010 shared under a Creative Commons (BY) license

国際宇宙ステーション(ISS)は1cm程度のスペースデブリが衝突しても耐久できるようになっているが油断することはできない。1996年に若田光一宇宙飛行士がミッションで回収した宇宙実験室にはスペースデブリが原因であると考えられる衝突痕が500か所近くも確認されたという。

2013年にはスペースデブリを除去するためのベンチャー企業「アストロスケール」が岡田光信氏によって設立され、現在は微小サイズのスペースデブリを観測する人工衛星「IDEA OSG 1」の打ち上げ準備を進めているという。これまでにない新たな事業に、世界の注目が集まる。