自称国家、建物全体が領土の「シーランド公国」とは?

2017年9月6日


sealand-x flickr photo by octal shared under a Creative Commons (BY) license

イギリス南東部の岸から約10km先に浮かぶ小さな建造物。第二次世界大戦の海上要塞として使われていたこの場所には、現在では堂々と国旗が掲げられ、海風に悠々となびいている。

シーランド公国というこの自称国家は1967年、海賊放送(違法なラジオ放送)を行っていた元イギリス陸軍少佐のパディ・ロイ・ベーツという男によって創られた。彼は海賊放送を行っていた罪を問われてこの要塞に逃げ込んだが、あろうことか独立宣言を発表。建物を領土として「シーランド公国(Principality of Sealand)」を築いたのだった。シーランド公国はイギリス司法の及ばない領海外に位置していたことから、イギリス政府は追及を断念せざるを得なかったという。

この”国”の領土面積は約200㎡。これは世界最小の国家であるバチカン市国の国土面積(約440,000㎡)の2200分の1にも満たない。もちろんシーランド公国を国家として承認する国もなく、人工的な構造物であることから国際法においても成立は難しいだろう。


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シーランド公国の電力は設置されている発電機によって賄われており、ひどい音と振動があるという。2006年には老朽化したこの発電機から火災が発生して大きな被害が出た。

シーランド公国の”国民”であった西ドイツの資産家によって一時はクーデターも勃発し、シーランド公国が占拠されるという事態に陥ったが、イギリスへと追放されたパディ・ロイ・ベーツは仲間を集めて奪還し、クーデターを画策した資産家が”国家反逆罪”として投獄した。西ドイツは解放のためにやむなくロンドン大使館の外交官の派遣を要請したという。

現在は公式サイトにて爵位やパスポートを販売しており、購入すれば誰でも日本にいながらシーランド公国の貴族を名乗ることができる。なかには切手やマグカップ,Tシャツなども販売されているので、変わった物が好きな方はぜひご覧になってはいかがだろうか?

シーランド公国公式サイトはこちら

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