一人の数学者として活動し続けた秘密結社「ニコラ・ブルバキ」とは?

2017年7月24日


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かつて、7000ページを超える膨大な規模の数学専門書『数学原論』を特筆し、当時の数学界に大きな影響を与えたという数学者ニコラ・ブルバキ。その正体はなんと若い数学者たちが集まって作り出した秘密結社だったのだ。

ニコラ・ブルバキは1935年にフランスの若手数学者たちによって作られた架空の数学者だ。ブルバキという名前は創設者の1人アンドレ・ヴェイユが学生時代のとき、ある友人の1人が講師に扮して新入生の前に登場し、白熱した授業を繰り広げたのちに存在しない架空の定理「ブルバキの定理」を説明して見事に締めくくったというイタズラに由来しているという。

その後ニコラ・ブルバキの名称で活動を始めた彼らは1939年に数学専門書『数学原論』の初刊を出版し、以後20年以上に渡りいくつかの数学分野を厳密に、時には新しい概念を組み込んで再編していった。現代でもその影響はいくつかの数学分野にも残されており、例えば空集合を表す記号∅はブルバキが初めて導入したものであるといわれている。

ニコラ・ブルバキに所属する数学者は”ブルバキスト”と呼ばれ、現在ではブルバキ協会に名称を変えて定期的にセミナーを開催している。ユーモアから生まれた”数学者”ニコラ・ブルバキは、その功績と共に過去の偉大な数学者たちに名を連ね、後世へと語り継がれるだろう。

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