世界のあらゆる種子を貯蔵する「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」とは?


The Seed Vault. Svalbard flickr photo by Christopher.Michel shared under a Creative Commons (BY) license

スヴァールバル世界種子貯蔵庫はノルウェーのスヴァールバル諸島にあるスピッツベルゲン島にあり、北緯78度地点,北極点から約1,300kmの場所に位置している。デンマークの植物学者ベント・スコウマンが設立を提唱し、いわずと知れたマイクロソフトの共同創業者の1人であるビル・ゲイツが主導となって設立された施設だ。


SGSV entrance tunnel flickr photo by Dag Endresen shared under a Creative Commons (BY) license

スヴァールバル世界種子貯蔵庫の施設内部の様子。世界には同種子貯蔵庫のような「種子銀行」が1500か所以上も存在しているが,多くの施設では不適切な管理や停電などのアクシデントによって発芽率が極端に低下しているという。

この施設が設立された目的はあらゆる植物の保存・貯蔵であり、大規模な気候変動や病気などの脅威から植物の遺伝資源を保護している。地上から見える部分は施設の入り口のみで、大部分は永久凍土層の内部にあるため温度変化による影響を受けにくく、あらゆる衝撃にも耐えられる。まさに”地球最後の日のための貯蔵庫”なのだ。


ICARDA har ca 80 000 frøslag i frøhvelvet på Svalbard flickr photo by Landbruks- og matdepartementet shared under a Creative Commons (BY-ND) license
種子貯蔵庫内部には各国から送られた様々な種子を入れた箱が多く積み上げられている。日本によって唯一貯蔵されたものは岡山大学の資源植物科学研究所から送られた575品種ものオオムギの種子で,同研究所は今後約5,000種ものオオムギの委託を予定しているという。

貯蔵庫内は保護された植物の品質維持のために電力によって常に-18℃程度に保たれている。万が一、電力が失われても永久凍土によって室温は常に氷点下数度で維持されるようになっているのだ。2008年の設立からこれまで100か国以上から集められた85万種以上もの種子が保存されている。とはいえ、古くなるほど発芽率は低下していくので貯蔵される種子は20年ごとに入れ替えられる。


Svalbard Globale frøhvelv/Svalbard Global Seed Vault flickr photo by Landbruks- og matdepartementet shared under a Creative Commons (BY-ND) license

植物をあらゆる絶滅の脅威から守り、人類に必要不可欠な作物品種を保護して命を繋ぎ止めるこの種子貯蔵施設は、まさしく旧約聖書に記された”ノアの方舟”のようであるが、その方舟が”役に立つ日”が来ないことを願うばかりだ。