ハチに刺された場合の対処法とは?

2017年5月14日


European Hornet (explored) flickr photo by kaibara87 shared under a Creative Commons (BY) license

ハチは人間にとって、最も身近に生息する危険生物である。森林地帯などに限らずキイロスズメバチでは人家などに巣を作ることもあるため都市部でも毎年多くの被害が報告されている。もし、ハチに刺されてしまった場合はどうすれば良いのか?

ハチに刺されたとき、最も危険なのはパニックに陥ることだ。ミツバチは1回刺すと内臓ごと引きちぎれて毒針が皮膚に刺さったままとなるので人を刺すのは1匹につき1回までだが、危険なスズメバチなどでは何回でも刺すことができる。


The Business End: Stinger flickr photo by Steve Snodgrass shared under a Creative Commons (BY) license

実のところミツバチでもヒト以外の動物の皮膚であれば何回も刺すことができる。しかしその毒性は低く,ミツバチでは約500回で致死量になるといわれているが,毒性の高いスズメバチでは約30回程度で致死量に到達するといわれている。巣を攻撃してしまった場合は,より多くのハチに襲われるため,不用意に巣に近づいたり,刺激しないように注意が必要だ。

もし刺されたときにパニック状態となり、追い払うために激しい動きをしたり大きな声を出し、ハチを刺激してしまうと再び攻撃を受けてしまう危険性があるのだ。また、刺された場所の付近に巣がある可能性もあり、多くのハチを誘き寄せてしまう結果になりかねない。毒性の低いミツバチでも集団で刺されると、ショック症状を起こして命に関わることもある。刺された場合はまず落ち着いてその場から離れることが大切だ。

安全を確保したら刺された患部を確認する。ミツバチの場合は,前述の通り毒針が残っていることがある。ここで指などで毒針を摘まむと毒嚢(どくのう)呼ばれる毒の入った袋状の器官からさらに毒が送り込まれ症状が悪化してしまう恐れがある。刺さっている毒針はピンセットや毛抜きなどで丁寧に除去するか、指で弾くようにして取り払おう。

次に、患部を流水でよく洗い流す。これは毒素を洗い流すだけでなく、患部を冷やして痛みや熱を抑える働きもある。痛みがひどくなければ患部をもむようにして毒素の排出を促すといいだろう。毒素を吸い出すポイズンリムーバーと呼ばれる器機があればより効率的に毒素を排出することができる。口で毒を吸い出すのは危険なので絶対にしてはいけない。

後は抗ヒスタミン薬などの軟膏があれば塗って速やかに医療機関へ受診することが大切だ。ハチに刺されたときに最も危険な症状であるアナフィラキシーショックは1時間以内に現れるからだ。(参考記事:ハチに二度刺されるとなぜ危険なのか?)診療科目はハチ刺されの場合は基本的に皮膚科を受診するが、全身の蕁麻疹や呼吸困難,痙攣などの激しい症状が出たら救急外来で直ちに救急車を要請する。


Black Bear flickr photo by aaronHwarren shared under a Creative Commons (BY-ND) licenseハチは一般に,黒いものを攻撃する習性がある。一説には天敵であるクマを攻撃するためのものであるという。

最も大切なことは刺されないための予防策だ。肌の露出はできるだけ抑え、黒っぽい衣服や香りの強いものを控えると被害を未然に防ぐことができる。ハチなどの出現情報を外出先へ問い合わせたり、ポイズンリムーバーや軟膏など刺されてしまった場合の準備も忘れないようにしておきたい。

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