身近に潜む危険物質「DHMO」とは?


Test Tube Series – In the Dark flickr photo by James Tan Chin Choy shared under a Creative Commons (BY-SA) license

DHMO(ジハイドロジェンモノオキシド)の危険性が改めて認識されたのは1990年代のことである。この物質は無味無臭であり、さらに無色の物質だ。少なくとも日本では毎年5,000人以上がこの物質を偶然にも吸引したために死亡しており、DHMOの固体は接触するだけで激しい皮膚障害を引き起こす。液体は酸性雨の主成分であり、気体は二酸化炭素よりも高い温室効果を示す。

DHMOは工業用に用いられる冷媒や溶媒として用いられ、原子力発電所でも利用されている。また汚染は各地に広がっており、全世界における全ての河川や湖,水道水から発見されている。なんと南極の氷からも発見されているのだ。

――さて、このDHMO(ジハイドロジェンモノオキサイド)は一酸化二水素のことで、つまり水のことなのだ。改めて文章を見てみると確かに水は無味無臭で無色であり、日本では毎年5,000人近くが溺死により死亡している。水の固体である氷は低温であるため長時間接触すると凍傷などの皮膚障害を引き起こす。
酸性雨の主成分どころか雨粒そのものであり、気体となった水蒸気には温室効果がある。水は基本的な冷媒であるし、もちろん原子力発電所でも利用されている。

この”ジョーク”は1990年代にアメリカの学生を中心にDHMOの危険性を説明したウェブサイトなどを通じて世界的に広まったとされている。その広報活動には署名も行われ、多くの人々がこのDHMOの規制に賛成したという。DHMOの”成功”は、現代における科学的な理解力や論理的思考力の欠如を浮き彫りにしたのだ。

近年では健康についての効果が明らかでないかあるいは健康効果のない化学物質や物理現象を宣伝した健康食品や健康器具などが数多くみられる。それらの説明を鵜呑みにせず、科学的な思考をもってしっかりと判断していかなければならない。