ノロウイルスについて知っておくべき10の事実

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Norovirus flickr photo by microbiologybytes shared under a Creative Commons (BY-SA) license

1.現在はノロウイルスとは呼ばれていない

私たちが使用しているノロウイルスという言葉はノロウイルス属の一種であるノーウォークウイルスの事だ。また、国際ウイルス分類委員会では全世界の”noro”を姓に持つ方(日本でも名字に「野呂」がある)に配慮してこのノーウォークウイルスという名称を用いるように医療関係者やメディアなどに呼びかけている。

2.ノロウイルスに感染しても3割の人は発症しない

実験や統計から,ノロウイルスに感染しても3割から最大で5割の人は急性胃腸炎を発症しない事が知られている。

3.急性胃腸炎を発症しない人々がいる

ノロウイルスの多くは腸細胞にある特定の血液型抗原を利用してヒトに感染するが、この血液型抗原が遺伝子変異によって腸細胞に出現しない人々が確認されている。つまり、先天的にノロウイルスに対して抵抗性を持つのだ。しかし、血液型抗原を利用しない一部のノロウイルスには感染する。

4.ノロウイルスの一部はO型がかかりやすく,B型がかかりにくい

前述の通り、ノロウイルスの多くは血液型抗原を利用してヒトに感染するので、ウイルスによってかかりにくいノロウイルスの種が存在する。ある種ではO型が最も感染しやすく、B型が最も感染しにくいという。

5.生食のカキが新鮮かどうかは関係ない

ノロウイルスによる食中毒で有名なカキだが、ノロウイルスは人間の体内だけでしか増殖しないので、カキの体内のノロウイルスの数は鮮度と関係なく一定である。しかし、きれいな海域で獲れたカキはノロウイルスが蓄積している可能性が低いためノロウイルスに感染しにくい。

6.ノロウイルスのワクチンや特効薬はない

ノロウイルスは未だに培養できないウイルスで、さらに遺伝子型の種類も多く、まだワクチンや特効薬が無いのだ。その為、感染の予防には基本的な衛生管理が重要となる。

7.ノロウイルスは10~100個のウイルス粒子で感染が起きる

患者の嘔吐物がうまく処理できていない場合、嘔吐物の一部が乾燥し、微粒子として空気中に拡散する。これを吸い込むと一種の空気感染を引き起こすのだ。嘔吐物の処理は換気と消毒を徹底して行おう。

8.ノロウイルスにアルコール消毒液は効かない

ノロウイルスは口から入り小腸で繁殖する。つまり、胃の強酸にも耐えられるほど環境変化に強いのだ。ノロウイルスには次亜塩素酸ナトリウムを使用して消毒する。

9.ノロウイルスは多くの遺伝子型がある

ノロウイルス研究がまだ進んでいない理由の一つにノロウイルスの多様性が挙げられる。遺伝子型が多いため、免疫を獲得しても別の種による感染で一年に数回感染する可能性がある。

10.感染者の便からは2週間ほどノロウイルスが検出される

ノロウイルスの発症自体は1~2日だが、便からはウイルスが2週間ほど検出される。体調が良くなってからもウイルスの排出は続くのでトイレ後の手洗いや除菌を行う必要がある。

※この記事のノロウイルスは,ノロウイルス属のノーウォークウイルスを指し,便宜的にノロウイルスと表記しています。