食材に含まれる栄養素の量は季節によって異なる

2017年3月10日

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食材そのものに含まれる栄養を知ることは元より、食材に含まれる栄養素を効率よく摂取することは大切だ。例えば調理方法を工夫することで、栄養素の損失を抑えてより多く効率的に摂取することができる。

野菜に多く含まれる栄養素の一つであるビタミンCは水溶性なので、水につけたり煮たりすると溶出してしまう。また、時間経過に伴い酸化によって徐々に失われていく。加熱するとこの酸化はさらに促進してしまうのだ。

野菜を水にさらすのは最低限にとどめておき、レタスやキャベツなどは包丁で切ると繊維が切断されて切り口から多くの栄養素が流れ出てしまうので手でちぎるようにカットすると損失を抑えることができる。

野菜は加熱すると栄養素が失われるからといって必ずしも生のままで摂取する方が良いとは限らない。例えば、トマトに含まれるリコピンは加熱することでより吸収率が高まるのだ。また、気を付けるべきなのは調理方法だけではない。実は季節による栄養価の変化も重要なのだ。次の図はホウレンソウに含まれるカロテンビタミンCの1年間における量の変化をグラフにしたものだ。

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ホウレンソウに含まれるカロテンの量は4月になると半分以下にまで減少するが、11月から再び増加していく。ビタミンCの量は3月頃から緩やかに減少し、11月急激に増加する。含有量が多い月と少ないの差はなんと5倍近くにもなる。

次は,ブロッコリーにおける通年の変化を見てみよう。

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ブロッコリーに含まれるカロテンの量は8月から徐々に上昇し、3月をピークに減少していく。また、ビタミンCの量はホウレンソウと比較して緩やかに変化していることが分かる。全ての栄養素全ての野菜において同じように推移していくとは限らないのだ。

しかしながら、ここまで詳しく食材に含まれる栄養価を季節ごとに調べて把握しておく必要はない。その食材が多く出回り、美味しくなる時期――栄養価が高くなる時期は食材における”旬”の時期と一致するのだ。1年を通じて季節を問わず手に入る野菜にも美味しくなり、栄養素が多くなる”旬”が必ず存在する。食材の旬をよく理解し、食事に取り入れていくことが大切だ。

参考・引用文献 辻村卓 (2012) 女子栄養大学紀要 43,25-31

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