社会的成功の鍵を握る「マシュマロ・テスト」とは?

2017年3月7日


F M Spring – 08 flickr photo by garryknight shared under a Creative Commons (BY) license

子供たちの目の前には1つのマシュマロが置かれている。何とか目の前のマシュマロから気を逸らしながらも子供たちは考える。目の前のマシュマロは食べたいが, 我慢すれば2つも貰うことができる――子供たちにとって,究極の2択 が突きつけられる。
”マシュマロ・テスト”は1968年にアメリカの心理学者であるウォルター・ミシェル が行った実験である。4歳の幼児 をテーブルとイスだけの何もない部屋に通し,テーブルの上には好きなおやつ を皿に1つだけ置いておく。実験者は幼児に,「15分間,おやつを我慢できればさらにもう一つおやつをあげる」ことを伝えておいて部屋を出る。


Marshmallows flickr photo by John-Morgan shared under a Creative Commons (BY) license

実験に使用するお菓子は幼児たちに好きなものを選択させた上で行っていた。マシュマロに限らず,クッキーやプレッツェルなどのお菓子を選べたという。

幼児たちの反応は様々だ。歌ったり,手で目を覆ったりして気を紛らわせたり、なかには開始早々に食べてしまう子もいたという。ミッシェルの実験では約4分の1 が 食べずに我慢することができた。

その12年後に,子供たちの保護者先生に対して子供たちの日常生活に関するアンケート に回答して もらったところ,我慢できずに食べてしまった子どもは学校や家庭で何らかのトラブルがある割合が高く、我慢できた子は大学進学適性試験のスコアが比較的高い傾向にあったという。

知能指数ではなく,自制心がその後の人生において大きな影響を与えることを示すこの実験は世界的に大きな注目を集めた。

他の多くの研究でも,自制心は社会的な成功の鍵を握っていることが明らかとなっている。人生には,自制心が必要な場面が多く存在するのだ。いわば人生は”マシュマロ・テスト”の連続なのである。

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