副甲状腺の手術で行われる驚くべき手法とは?

2017年3月4日


Radiology assisted hip operation flickr photo by Zdenko Zivkovic shared under a Creative Commons (BY) license

副甲状腺は甲状腺周辺にある米粒大の器官だ。上皮小体とも呼ばれ,通常は2対4個存在する。小さい器官であるが,身体のカルシウムを調節するために必要な副甲状腺ホルモンを分泌する大切な役割を担っているのだ。

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画像は甲状腺を背側から見たもので,黄色で着色された4つの小さな器官が副甲状腺だ。しばしば副甲状腺が3つの人や5つの人もみられ,位置も甲状腺周囲にあるとは限らず,極端な例では心臓付近に副甲状腺が見つかることすらある。

この副甲状腺の働きが過剰になり,副甲状腺ホルモンが多く分泌されるようになってしまう病気が副甲状腺機能亢進症だ。副甲状腺ホルモンの働きによて骨のカルシウムが溶け出して骨がもろくなったり,尿路結石や腎結石が生じやすくなる。また,だるさや吐き気,食欲低下などが見られることも特徴だ。

この副甲状腺機能亢進症の治療には副甲状腺ホルモンを過剰に分泌している異常な副甲状腺を摘出する外科手術が行われる。しかし,問題となる異常な副甲状腺の数が多い場合は摘出後,逆に副甲状腺ホルモンが不足してしまうのだ。そこで,驚くべき方法でこれを解決する。

なんと,摘出した副甲状腺を前腕に移植するのだ。副甲状腺の一部を前腕の筋肉へと移植させ,3週間程すると副甲状腺はしっかり機能するのだという。このように,前腕に移植することで副甲状腺に再び異常が起きても,再摘出が局所麻酔だけで容易に行えるのだ。

もちろん,副甲状腺機能亢進症の全ての摘出手術において,この自家移植が行われるわけではないが人体の神秘を垣間見る,驚くべき手法である。

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