ジャガイモの調理には注意したい「アクリルアミド」とは?


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フライドポテトは子供からお年寄りまで大人気の食べ物だ。時々,無性に食べたくなってしまう、という方も少なくないだろう。しかし,2002年にこのフライドポテトから発見されたある物質が全世界に衝撃をもって伝えられた――
アクリルアミドの存在は既に1950年代から知られており,整髪料や漏水防止剤などポリアクリルアミドの原料として当時から工業的に製造されていた化学物質だ。

しかし,1997年にスウェーデンのトンネル工事で発生した野生動物の大量死や毒性症状を調査した結果,充填材として使用されていたアクリルアミドによる環境汚染が原因であることが明らかとなったのだ。さらに,その後の調査で一般人でも低濃度のアクリルアミドが検出されることや,その量が野生動物よりも多いことなどを突き止めた

また,喫煙者からより多くのアクリルアミドが検出されたことから,何らかの燃焼過程がヒトのアクリルアミドの摂取に関係していると考えた研究者らは加熱食品を調査した。その結果,2001年にフライドポテトに高濃度のアクリルアミドが含まれることを発見したのだ。工業的に製造されている物質が調理過程で生成されるこの事実は,全世界に衝撃をもって伝えられた。

現在, アクリルアミドは国際がん研究機関によって動物実験の結果から「人に対して恐らく発がん性がある」グループ2Aに分類されている。今後,ヒトに対する影響が研究され,再評価されることで発がん性がより高い分類や低い分類へ移行する可能性がある。

このアクリルアミドは食品中のアスパラギンというアミノ酸と糖類が120℃以上の加熱によって化学反応を起こすことによって生成され,特に揚げたり炒めたりするような高温調理で生じやすい。特にジャガイモでは冷蔵保存することにより含まれるでんぷんの一部が糖に変化するためアクリルアミドが生成されやすいのだという。


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ご家庭でフライドポテトなどを作る場合には常温保存されたジャガイモを使うのが望ましいだろう。
しかし,アクリルアミドが含まれているからといって冷凍のフライドポテトや冷蔵保存されたジャガイモの高温調理を神経質に排斥していく必要はない。

私たちがふだん食べている食品や,身近な身の回りのものにも発がん性物質や発がん性の疑いのある物質,まだ未発見の発がん性物質も多く存在しているのだ。特定の食品を摂らないことはある種の偏食状態であるといえる。全く食べないのではなく,できる範囲で減らしていくことが健康な食生活であるといえるのだ。