2000年問題の騒動で何が起きたのか?

2017年2月26日


System Code flickr photo by Yu. Samoilov shared under a Creative Commons (BY) license

1999年,人類は20世紀最後の年を迎えようとしていたが同時にある危機感を募らせてた――年号を下2桁で管理しているコンピュータが2000年を1900年と判断し,システムが誤作動を引き起こす可能性が浮上したのだ。これが2000年問題(Y2K)である。

多くのものがコンピュータで管理されている世の中で2000年問題は人々の想像力を掻き立てる形で起こりうる問題を”浮き彫り”にした。電気や水道は止まり,医療機器は誤作動を起こす。銀行からはお金を引き出すこともできず電話をかけても繋がらない。飛行機は墜落,鉄道は暴走しミサイル保有国からミサイルの誤発射や架空のミサイル探知が起きるなどありとあらゆる最悪な事態が考え出されたのだ。

2000年に向けて多くの機関・企業は巨額の資金を投じて対策を行い,航空や鉄道などの交通機関は不測の事態に備えて運転を見合わせるところも少なくなかった。中国では海賊版が多く流通していたため,販売元からの技術的なサポートが行えないこともあったという。ビジネス面においての影響も大きく,諸外国では来るべき食糧不足を凌ぐため長期に保存できるハチミツなどの貯蔵食品が需要を伸ばしていた。また,2000年問題に備えたサバイバル本が出版されたり2000年問題の対策を請け負うビジネスも展開された。

こうした努力の甲斐あってか,12月31日から1日にかけて小さなトラブルこそ散見されたものの,メディアで騒がれていたような大きなトラブルは起きなかった。むしろ,問題の多くは2000年2月29日に起きたという。

これは,グレゴリオ暦において「100で割り切れる年は平年となるが,400で割り切れる年は閏年とする」という取り決めのために,本来2000年は閏年であったがコンピュータが1900年と間違え平年として処理したことに起因するものだ。このため,札幌市では日付エラーのため自動改札機を通過できなかったり,郵便貯金ATMが停止してしまうというトラブルに見舞われた 。

2000年問題はこうして終わったかに思えたがオーストラリアでは2000年問題が2010年になって突如として発生し,カード決済サービスがシステムにより拒否されるという事態が発生したという。あらゆるものがコンピュータで制御されているこの時代においてコンピュータの誤作動やエラーが起こりうることを私たちはしっかりと認識しておかなければならない。

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