カキで食中毒になってしまう原因とは?

2017年1月23日


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生ガキを食べて食中毒になってしまうと大変だ。激しいおう吐下痢,腹痛に見舞われることとなる。食中毒の原因となるのは悪名高いノロウイルスだ。

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ノロウイルスは小型球菌ウイルスの一種で食中毒の原因となる。感染すると激しい嘔吐や下痢の症状が現れ,しばしば集団感染を引き起こす。ウイルスが100個以下でも感染が起きるため,たとえカキ1個でも食中毒の危険があるのだ。

ノロウイルスが原因となる食中毒の多くはウイルスに汚染されたで調理を行うことで起きる。しかし,カキで食中毒が起きる場合のほとんどはカキの体内にあるノロウイルスが原因なのだ。これはどういうことなのだろうか?

カキを含め,二枚貝の多くは海水を体内に取り入れてプランクトンを濾し取って胃で消化し,中腸線と呼ばれる消化器官で養分を吸収する。このとき,異物も一緒に中腸線へと送られるが,排出能力が低いため異物は体内に滞留してしまうのだ。ここで,ノロウイルスを含んだ汚水下水処理場から海へ流れると海水と一緒にカキの体内に取り込まれ,ウイルスが蓄積される。これがカキで食中毒になってしまう原因なのだ。


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二枚貝の多くは海水を取り入れて異物を中腸線に蓄積するため浄水作用を有する。カキは特にその能力が高く,1日に200~400L以上もの海水を取り込むがその分,中腸線も大きいためより多くのノロウイルスを蓄積してしまう。

食中毒を防ぐためには中心温度85度1分以上加熱でウイルスを失活させる必要がある。特に生食の場合には十分注意が必要だ。上記のような理由では,カキの食中毒は鮮度に関係なく起こりうる。ノロウイルスが増殖できるのはヒトの小腸だけなのだ。カキがおいしいこの季節,食中毒には気をつけておきたい。

※WHO(世界保健機関)では”ノロウイルス”ではなく”ノーウォークウイルス”の名称を推奨しているが、本稿では慣例的に”ノロウイルス”と表記している。

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