やけどの症状を引き起こす「アオバアリガタハネカクシ」とは?

2016年9月18日


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小さな虫を叩き潰した手が,数日後にヒリヒリと痛み出し,患部にはいつの間にか水膨れができていた――
この虫の正体は「アオバアリガタハネカクシ」で,体液には「ペデリン」という毒があり,通称「やけど虫」とも言われている。国内では全国に分布しており,世界的には北・南アメリカ大陸を除いて広く分布している。


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アオバアリガタハネカクシ(学名:Paederus fuscipes)の体長は6~7mm程度,黒と黄褐色が交互にある特徴的な体色を持っており,4月~10月頃にかけてよく飛来する。毒のペデリンはこの虫の属名であるPaederusに由来している。これが皮膚に付着すると数時間後にかゆみを感じ,後に火傷と同様に水膨れや痛みが生じ,皮膚炎の症状がみられる。叩き潰した場合のみに限らず,虫が身体に止まっただけでも体液を分泌するため、体液が付着していないと思っていても経過観察が必要だ。

ちなみに卵や幼虫,蛹にもこの毒をもっている。もし体液が付着した場合は直ちに皮膚科を受診しよう。また,死骸であってもこの毒があることに注意が必要である。

ハネカクシという名が示す通り,実は翅があり飛行することができる。体の中心にある黒い部分はカブトムシなどの翅と同じ構造となっていて,通常はここに翅を畳み込んでいるのだ。明るい場所に集まる習性があり,夜には網戸の隙間などから屋内へ侵入することもある。

また,アオバアリガタハネカクシと似たものにエゾアリガタハネカクシなどの種も存在する。こちらも同様の体色と毒を有しているので,同じ対処が望まれる。名前こそ長くて覚えにくいが,独特の模様が特徴的な虫だ。見かけた場合にはくれぐれも注意していただきたい。

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