落雷によって生成される貴重な鉱物「フルグライト」とは?


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雷の熱エネルギーは非常に高く,放電路の空気は数万度にもなる。落雷に伴う雷鳴も,この熱によって空気が急激に膨張して発生する衝撃波が原因だ。

石英などのガラス質を多く含む場所に落雷が起きるとガラス質が高温により瞬時に融解し,管状の鉱物が形成される。これがフルグライト(fulgurite)だ。和名では閃電岩(せんでんがん),または電管石(でんかんせき)とも呼ばれ,古くは進化論で有名なあのチャールズ・ダーウィンの航海記にフルグライトの記録がある。非常に高い電圧の落雷でなければフルグライトは生成されず,生成過程上,地中に形成されるため発見されることは稀である。


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ミネソタ科学博物館に展示されているフルグライト。発見が難しい上に脆く崩れやすいため,画像のような樹枝状で長いものは大変貴重である。

フルグライトは地下の放電路に沿って樹枝状に形成され,通常は内部が中空のパイプ状となっており,表面は細かく発泡して非常に脆い。

日本では1963年8月1日と1966年6月6日にそれぞれ北海道で発見されている。1963年の発見例では根室郊外の民家付近で堆積していた牧草に落雷が起き,その地下径1mに形成されたフルグライトを火山・鉱物学者の山口鎌次が観察し,記録している。また,1966年の発見例では岩見沢市でフルグライトの採掘に成功しており,発見されたものは現在でも岩見沢郷土科学館に展示されている。

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