お酒を飲んでいない人も要注意の「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」とは?


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お酒をあまり飲まない人は脂肪肝や肝炎とは全くの無縁であると考えている方も多いのではないだろうか。しかし,アルコールをほとんど摂取していないにも関わらず発症する非アルコール性脂肪肝炎(non alcoholic steatohepatitis:NASH-ナッシュ)はアルコール性の脂肪肝や肝炎と同様に自覚症状はほとんど無いにも関わらず,治療せず放置すると肝硬変や肝臓がんにまで進行する恐ろしい病気なのだ。

過食や運動不足などの生活習慣による肥満や高血圧,または糖尿病,脂質異常症などによって肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積された非アルコール性脂肪性肝疾患(non alcoholic fatty liver disease:NAFLD)は毎年,健康診断受診者の2~3割を占めており年々増加傾向にある。

この非アルコール性脂肪性肝疾患の患者のうち約9割は予後が良好な単純性脂肪肝であるが,この残り約1割こそが進行性のある非アルコール性脂肪肝炎(NASH)であり,患者数は推定で100~200万人(成人の1%以上)も存在すると言われている。
肝臓は”沈黙の臓器”とまで呼ばれており,NASHの自覚症状はほとんど無い場合が多く発見が難しい。NASH診断時に既に肝硬変と診断される症例が1~2割を占めるほどだ。また,肝臓がんに進行する場合もあり,近年にみられる肝炎ウイルスの感染していない肝臓がん患者の増加はNASHの増加が原因であると疑われている。

現在までに明確な発症メカニズムは解明されておらず,確立された薬物療法も存在しないため,正しい食生活習慣や運動習慣を身につけて発症を予防することが大切だ。