消毒用アルコールを使用する際に注意すべき5つの事項

2016年8月7日

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1.濡れた手や物に使用しない

前回の記事でもご紹介した通り,消毒用アルコールは、その殺菌作用が最大となる適切な濃度に希釈されている。濡れた手などで使用するとアルコールがさらに薄まり,殺菌効果が激減してしまう場合があるのだ。消毒液を使う際は乾いている状態か,もしくは水気をしっかりふき取ってから消毒を行う必要がある。

2.殺菌までには少し時間がかかる

消毒用アルコールを手に付けたからといって,すぐに菌が死滅するわけではない。実際は菌が死滅するまで10秒程度の時間が必要なのだ。このわずかな時間を待たずして,例えば調理作業などを行うと食材が汚染されてしまう危険性があるのだ。消毒用アルコールを手に付けた後は完全に乾くまで手にまんべんなく刷り込むように広げると効果的だ。

3.完全な殺菌を行う事はできない

多くのウイルスや細菌に効果のある消毒用アルコールであるが,ボツリヌス菌などの一部の細菌は芽胞とよばれる耐久性の高い状態となり生存して繁殖する事ができる。また,皮膚の深部にいる細菌やウイルスには効果が無い。消毒を行ったからといって過信せず,あくまで細菌やウイルスによる事故のリスクを低下させる殺菌方法である事を忘れてはいけない。

4.消毒用アルコールはノロウイルスに対してほとんど効果が無い

3項目にもあるが,激しい嘔吐下痢症状を伴う集団感染を引き起こすノロウイルスには消毒用アルコールはほとんど効果が無いことが知られている。これは,消毒用アルコールは通常,ウイルスのエンベロープと呼ばれる構造に作用して失活させる事により消毒を行うのだがノンエンベロープウイルスと呼ばれる種類のウイルスはそもそもエンベロープを持たないので,薬剤などに対して非常に高い耐久性を持つのだ。
ノロウイルスもノンエンベロープウイルスの一種であり,経口によって侵入し,酸性度の高い胃液胆汁酸にも耐えて腸管で繁殖するという特殊な性質を持つ。

5.石けん手洗いの直後に使用して行う

消毒用アルコールの効果を最大限まで高めるには薬用石けんによる手洗いの直後に行うのが良いとされる。石けんによる殺菌効果,そして手の脂肪や角質などの汚れを落とし,薬剤耐性を持つノロウイルス芽胞を作る細菌を直接洗い流す作用がある。石けん手洗いで残った細菌やウイルスをアルコール消毒液で殺菌,または失活させる事で十分な殺菌効果が期待できる。ここで注意しなければならないのは1項目でも紹介した通り,手洗いの後によく手の水分を拭き取らなければならない,という事だ。
流水では洗い流せなかった細菌やウイルスを拭い取る意味もあるので,必ず丁寧にふき取ってから消毒用アルコールを使用する。

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