アジサイの色と土壌中のアルミニウムイオンの関係とは?


flickr photo shared by Kabacchi under a Creative Commons ( BY ) license

梅雨に入り,色鮮やかなアジサイが町を彩る。別名「七変化」とも呼ばれるアジサイは同じ品種でも紫色や藍色,ピンク色などの多彩な色で私たちを楽しませてくれるが,こうしたアジサイの色の違いはなぜ起きるのだろうか?

アジサイの色の決定には土壌中のアルミニウムイオンが大きく関与している。そもそも,私たちがアジサイの花びらと思っている部分はがく片が発達したもので本当のアジサイの花は小さくて分かりづらいが,がく片の付け根にある。アジサイの色は,このがく片や花の細胞内に含まれるアントシアニンと呼ばれる色素に根から吸収されたアルミニウムイオンが結合する事によって色が変化する。


flickr photo shared by Zengame under a Creative Commons ( BY ) license
アジサイの花の部分を拡大したもの。小さいがしっかりと花びらもある。

アルミニウムイオンが結合したアントシアニンは青い色に変化するため,アルミニウムイオンの多い土壌ではアジサイは青っぽい色になりやすい。逆に,アルミニウムイオンの少ない土壌ではアントシアニンが変化せずアジサイは赤っぽい色になりやすいのだ。アジサイの個体内でも色が異なるのは,吸収されたアルミニウムイオンの量に違いが生じたためである。

また,土壌中のアルミニウムイオンの量は,その土壌のpHの影響が大きい。pHが高いとアルミニウムイオンが溶け込みやすいからだ。日本の土壌は酸性であることが多いため,青や紫色のアジサイが多い。まさにアジサイは天然のリトマス試験紙なのだ。
(参考記事:リトマス紙はどのようにして作られるのか?)


flickr photo shared by yto under a Creative Commons ( BY ) license>同じ株内でも補助色素や結合したアルミニウムイオンの量によって美しい色調の変化が起きる。

しかし,厳密にはアントシアニンだけでなく補助色素と呼ばれる他の色素もアジサイの色の決定に関与しており,ベニガクアジサイやシロアジサイなど土壌のアルミニウムイオンの影響を受けにくい品種もある。

最近ではアジサイの色を青くする肥料も販売されているので美しい青色のアジサイを咲かせたいという方にはおすすめだ。