雷が落ちる瞬間に何が起きているのか?

2016年5月29日

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轟音と共に閃光が走る。落雷が起きるのは一瞬の出来事だ。
この間に一体何が起きているのだろうか?

7,000fpsの超ハイスピードカメラで撮影した落雷の映像。撮影者はGeospace Physics LaboratoryのNingyu Liu氏。

動画で最初に見られる小さく分岐している稲妻は先駆放電(ステップリーダー)と呼ばれるものだ。通常,大気は雷を遮断するが地上と雲の電圧差が大きくなると雲から電子が先駆放電として流れる。

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電子が空気中の原子に衝突すると電離させプラズマとなる。プラズマ化された経路は電子が通りやすく,雷雲から電子が放出されながら先駆放電は成長し,空気を通りやすい道へと変質させながら進んでいくのだ。小さく分岐しているのは大気に遮られながら,電子が通りやすい経路を進んでいるからである。そのため,50m進むごとに約50µ秒という非常に短い休止を行いながら地面へと進展していく。
稀に先駆電流の中には再び雷雲に戻っていくものがある。これはリコイルリーダーと呼ばれ,近年になり撮影技術が発達したことによって明らかとなった現象だ。

先駆電撃が地表近くにまで到達すると映像では確認できないものの,実は地面からも放電路が伸びる。 これはまたは迎え放電,またはストリーマといい,これが先駆放電と接続することで帰還雷撃(リターンストローク)と呼ばれる数十kAもの大電流が0.0002秒という速さで一気に流れ同時にまばゆい閃光が発生する。これが落雷の正体だ。

ちなみに,迎え放電が映像で確認できないのは地面からの放電がすぐに先駆電流と合流し,後に起きる帰還電撃の強い閃光で見えないことなどが原因だ。落雷は,帰還電撃が発生した後もすぐに上空から同じ経路を辿って放電が起きることが知られており,これは矢型前駆(ダートリーダー)と呼ばれ,再び帰還雷撃が起きる。これにより落雷は瞬間的に数回発生し,雲と地上の電位差が小さくなるまで落雷による放電は繰り返し起きる。

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