惑星の重力を利用する航法「スイングバイ」

2016年5月29日


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1977年に打ち上げられたボイジャー2号は打ち上げられた速度では太陽から約7億7850km離れた木星までしか到達できない計算だが,2016年5月時点でボイジャー2号は太陽からの距離166億kmに到達している。なぜこのような事が可能だったのだろうか?ボイジャー2号が行ったのはスイングバイと呼ばれる天体の重力公転運動を利用した航法だ。他にも重力アシスト重力ターン,フライバイ,近傍通過と呼ばれ,小惑星探査機「はやぶさ」をはじめ多くの惑星探査機スイングバイを利用して飛行している。

天体の重力の影響により,惑星などの天体の進行方向の裏側面を通過すると加速し,進行方向側面を通過すると減速する。ボイジャー2号では1979年7月9日に木星,1981年8月25日に土星,1986年1月24日に天王星,1989年8月25日に海王星へそれぞれ加速スイングバイを行って太陽系外へと慣性飛行を行っていたのだ。

また,スイングバイでは燃料をほとんど使用せずに加速や減速,運動方向を変更することができる。小惑星探査機「はやぶさ」では地球の重力を利用した加速スイングバイを行って燃料を節約していた。スイングバイは宇宙における普遍的な航法技術なのだ。

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