歩き方で人物を特定する「歩容認証」とは?

2016年5月25日

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現在では人物の特定に指紋や光彩,静脈など様々な認証技術により本人確認が行われている。そして近年,歩き方で人物を特定する「歩容認証」が注目されている。

遠くにいる家族や親しい友人の歩き方を見て誰なのか識別できるように,その人の歩き方(歩容)にはその人物特有の性質があるといえる。歩容認証では,人物の歩き方を膨大なデータベースから照合して歩幅,身長,速度,姿勢,腕の動きなどから高い精度でその人物を特定することができる技術なのだ。

防犯カメラの映像の多くは犯人の顔が鮮明ではなく,犯行にはサングラスやマスクの着用が行われるため従来まで映像だけで犯人を特定するのは困難であった。しかし歩容認証では,たとえ犯人が非常に遠くで映っていたり,犯行後に着衣を変更しても特定が可能なのだ。実際に歩容認証技術を使った犯罪走査で逮捕に至った例もあるという。

一方で,指紋や光彩,静脈などと比較し,不変な生体情報ではなく,意図的に歩き方を変えることができるという指摘もあるが歩き方を変えるのは実は容易なことではない。そもそも犯行直後の犯人の心理状態は不安定であることが多く,歩き方がある程度変容するのは想定内なのである。

歩き方は全身の筋肉の付き方,背骨などの湾曲,関節などの可動域や疾患,怪我などによる痛みなどで統合的に決定されるものであり,意図的に歩き方を変えたとしても一定のパターンは保持されるのだ。
今後,歩容認証技術が普及すれば他の科学鑑定技術と共に多くの成果が期待されるだろう。

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