X染色体が多いクラインフェルター症候群とは?

2016年5月14日


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学生時代に男性はXY性染色体を持つことを習った覚えがあると思うが,染色体異常によりごく稀ではあるが必ずしもそうではないことが明らかになっている。
クラインフェルター症候群は男性のみが発症する染色体異常で1942年にアメリカの医師,ハリー・クラインフェルターにより初めて報告された。男児の500~1000人に1人と比較的高頻度で見られる。男性の性染色体は通常ならばXYの遺伝子型となるがクラインフェルター症候群ではXXYXXXYなど2つ以上のX染色体を保有している。

精子は通常,XまたはYの染色体しか持たないが,減数分裂異常が生じるとXYの染色体を持つ精子が生じる場合があり,ここでX染色体を持つ卵子と受精することでXXYとなりクラインフェルター症候群を発症する場合がある。または,通常Xの染色体しか持たない卵子が減数分裂異常によりXXを持つことがあり,ここでY染色体を持つ精子と受精することでXXYとなりクラインフェルター症候群を発症する場合もある。

主な症状は不妊で、受精能力が低くなることがある。外見的には細身で華奢な体形であることが多いが必ずしもそうとは限らない。

一般的な男性と比較して男性ホルモンの分泌量が少なく,体毛が薄かったり筋肉がつきにくく,声変りが起きないこともある。また,女性化乳房を発症する場合もあり,乳がんの発生頻度は一般的な男性の20~50倍ともいわれている。知能指数は平均かやや低めで,言語能力が低かったり精神発達遅滞を伴うことがある。なお,クラインフェルター症候群のこれらの症状は過剰なX染色体が1本増えるごとに重症化する。

染色体異常であるため根本的な治療を行うことはできないが,男性ホルモンが不足する事により生じる症状は男性ホルモン投与2~4週間に1回投与することである程度改善することができるという。
クラインフェルター症候群は成人後不妊検査などで発覚するケースも少なくない。不妊で悩んでおり,症状に非常に良く当てはまる方は念のために検査を受けておくことをお勧めする。

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