青酸カリとは何か?

2016年5月24日


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推理小説刑事ドラマでお馴染みの青酸カリ。化学は少し苦手と思っている文系でも知っている人は多いだろう。では,その青酸カリとはどのような物質なのだろうか。

青酸カリ,正式にはシアン化カリウムという。1782年にスウェーデンの化学者シェーレにより初めて合成された。化学式はKCN,つまりカリウム炭素窒素からなる化合物だ。「青酸」と書かれているが,実は青色ではなく主に白色の粉末である。青酸とはシアン化水素またはシアン化化合物を指す名称なのだ。

また,シアン化ナトリウムも結晶は無色透明だが,粉末になると乱反射によって白色に見える。これは透明な氷から削って作られたかき氷が白く見える理由と同じである。
空気中では二酸化炭素と反応して炭酸カリウムに変化する。また,この化学反応ではシアン化水素が放出されるため,シアン化カリウムは青酸臭と呼ばれる特有の臭気を放出するが,乾燥した粉末ではこの臭いは発生しない。また,高温日光により酸化するので冷暗所に保存する。

特筆すべきはその強力な毒性にある。極めて毒性が高く,致死量は成人で0.15~0.3gといわれている。シアン化水素を摂取した場合,酸と反応してシアン化水素が発生する。体内では胃酸との反応により発生し,血中に取り込まれると血液中の酸素を運ぶヘモグロビンと結合しシアンヘモグロビンとなることで酸素との結合を阻害し臓器に影響が及ぶことで死に至る。

また,吸入したり濃厚水溶液に触れるだけでもシアン中毒により,頭痛めまい,吐き気,呼吸麻痺意識の喪失などを引き起こす可能性がある。推理小説や刑事ドラマでは定番ともいうべき毒物となっているが専門知識が無ければ犯人までもがシアン中毒になりかねない恐ろしい毒物なのだ。

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