菜の花とはどんな種類の花なのか?


20110319 Floral garden 5 flickr photo by BONGURI shared under a Creative Commons (BY-ND) license

寒さも和らぎ,やわらかな日差しの午後に出かけると目を引くような菜の花の色や匂いが,春の訪れを感じさせる。菜の花で楽しめるのは視覚や嗅覚だけではない。お浸しや和え物など、春の味覚を代表する、食材としての一面もある。菜の花にはビタミン群やβカロテン,カルシウム,鉄,カリウムなどが豊富に含まれており,免疫力を高めたり美肌効果も期待できる。

ところで,菜の花とはどんな種類の花なのだろうか?「菜」の「花」である事に間違いはないが,それがどんな植物を指すのか名前からは定かでない。実は,菜の花とは「アブラナ科の植物の花の総称」なのだ。つまり,アブラナ科であるキャベツや大根の花も菜の花という事になる。確かにキャベツの花は菜の花にそっくりな色と形をしている。大根の花は形は似ているものの,色は白いので白い菜の花と呼ばれる事がある。

私たちが普段,菜の花と呼んでいるのは,アブラナ科のアブラナやセイヨウアブラナ,カラシナのことだ。また,アブラナは「油菜」とも書く。これはアブラナとセイヨウアブラナの種から油が採れるからでありこの2種を区別せずに「ナタネ(菜種)」と呼ぶこともある。

アブラナは古くに中国から日本に伝来したもので江戸時代から油が採られていたが,セイヨウアブラナの方が収量や含油量が多く,生産性が高かったので明治初期にヨーロッパから輸入されてきたものだ。
また,セイヨウアブラナはアブラナとキャベツの雑種が起源だとされており,アブラナとセイヨウアブラアナでは染色体の数も異なっている。
油菜,菜の花,菜種・・・言葉は生き物であり、その多様性は生物と同様,時代と共に増えていくのだ。