かつて角は秘薬として使われていた,海のユニコーン「イッカク」

2016年3月8日


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海のユニコーンと呼ばれるイッカク。ヨーロッパにもたらされたそのユニコーンのものだと信じられ、その角を削ってにしたものはあらゆる毒に対する解毒作用があると信じられてきた。16世紀以降は鎖でつながれたその角が薬局の目印となっていたほどだ。角は高値で取引され,同じ重さの金の10倍もの金額で取引されたのだという。

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牙の長さを競い合うイッカク。

イッカクはクジラの仲間で, 北極海に住んでいる。生まれたばかりの体長は角を除いて1.6m前後。これが成長すると体長は4.7mにもなる。雌はこれよりも一回り小さい。 成長すると,色もだんだんと濃くなっていき、青みがかった灰色に黒い斑点模様が浮かび上がる。通常は2~10頭程度集団で生活をしている。

現在では多くの人々に知られているイッカクだがその特徴は何といっても大きな一本の角。実は左側の前歯が変化して大きくなったなのだ。オスの牙はねじれながら成長を続け,最大で3mにもなる。この角のような牙は天敵を追い払ったり,獲物を串刺しにするわけではなく,メスの奪い合いに使うのだという。かといって,仲間のオスに牙を向けるのではなく,その大きさを競い合って平和的にその序列を決めているのだ。また,稀に2本の牙を持つイッカクも目撃される。

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また,最新の研究ではこの牙は感覚器官ではないかする論文が発表された。しかし,賛否両論で追加の実験をしようにもなかなか発見が困難であるため研究は難航しているのだという。イッカクの生態にはまだまだ未解明な部分があり、今後の研究が待たれるところだ。

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