匂いで記憶が呼び覚まされる「プルースト現象」とは?

2016年3月8日

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ある匂いを嗅いだ時に,昔の事をふと思い出したことは無いだろうか?
このように,ある特定の匂いによって,それに関連する過去の記憶想起する心理現象を「プルースト現象(効果)」という。この名称はフランスのマルセル・プルーストの作品『失われた時を求めて』で, 主人公が同様の現象を体験することに由来している。


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”私は無意識に、紅茶に浸してやわらかくなった一切れのマドレーヌごと、ひと匙のお茶をすくって口に持っていった”
『失われた時を求めて』の一説より。主人公は紅茶に浸したマドレーヌの香りで幼少の記憶が鮮やかに蘇った。

ある特定の味覚,視覚(景色)でもある特定の記憶を思い出す事はよくあることだ。この現象を特徴付けるものとして,思い出した記憶が幼少期などの古い記憶である事が多く,同時に強い情動を伴う記憶を想起しやすいという点にある。

匂いと記憶とは密接に関連しており,ある特定の匂いを嗅がせると,感情を司る偏桃体と記憶を司る海馬に,聴覚や視覚などの他の感覚よりも大きな反応が現れるという研究結果がある。
また,実験によると、思い出しやすい匂いは良い匂いであること、食品や飲料の匂いが多いこと,思い出される記憶は6~10歳までの幼少期の記憶であることが多いという。

この現象の研究は感情感覚,記憶といった脳機能の関連性の解明に非常に重要である。

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