壮絶な星の最後「超新星爆発」とは?

2016年2月28日


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マゼラン雲にある超新星爆発の残骸(N49)。下記の超新星爆発とは別の残骸である。

1987年2月23日大マゼラン雲の中で突然明るい光が出現した。北半球の日本では見えなかったものの肉眼でも見る事ができ、この時の光は銀河全体の明るさをも上回ったという。この現象は超新星爆発と呼ばれる現象で古くから知られており、藤原定家『明月記』にもその記述が残されている。この超新星爆発とは一体どのような現象なのか?

「超新星」とあるが実際には重い星がその一生を終える際に起きる現象で、新しい星が生まれる訳ではないが地球からは見えなかった場所に新しく星が誕生したように見えるのでこの名がある。

超新星爆発にはⅠ型Ⅱ型の2種類が存在する

Ⅱ型超新星爆発は,太陽の8倍より重い星で起きる。恒星は水素をエネルギーとして核融合反応を起こし、その熱膨張で強大な重力と均衡を保っている。重い恒星がエネルギー源の水素をある程度使い果たすと水素は核融合反応を続けながら外側の層へ移行して内側にはヘリウムの中心核ができる。内側の核融合反応は一時停止するが、ヘリウムの核は重力により退縮を始め、内側は徐々に高温となり1億度を超えるとヘリウムによる核融合反応が始まるのだ。

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By Joanna Kośmider (Own work) CC BY-SA 3.0, 1,2
上の画像は水素がある程度使われ,中心核でヘリウムによる核融合が行われている。下の画像はヘリウムに代わり,炭素による核融合が行われている。それぞれの外層でも核融合は続いている。

ヘリウムがある程度使い果たされると,ヘリウムの核は外側の層へと移動して生成された炭素の核が再び退縮を始めて核融合を始める。このようにして内側の核で次々とネオン,酸素,ケイ素といった重い元素が高温高密度となりながら核融合反応を続ける。高温の核と外側の層で起きるそれぞれの元素の核融合反応の熱によって星は大きく膨張するが、表面の温度は低くなるため徐々に赤くなる

これが赤色巨星で、太陽の8倍の質量より軽い恒星であればいずれかの段階で核融合が停止して白色矮星となるのだが、太陽の8倍より重い星であればこの核融合は続き、赤色巨星と区別して赤色超巨星と呼ばれるようになる。

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生成された元素は層を成して核融合を続ける。安定している鉄の生成を最後に核融合反応は停止する。

やがて星の中心核でが生成されると、鉄によって核融合を起こすことはできないので反応は停止し、鉄の中心核の縮退による温度上昇が100億度になると急激に星全体が爆縮を引き起こす。その衝撃波が中心部の圧縮された核で跳ね返り爆発が生じる。これがⅡ型超新星爆発である。Ⅰ型は白色矮星赤色巨星の二種類の星によって起こり、白色矮星は太陽の8倍よりも軽い恒星が核融合反応を終えてその外層部分が放出されたもので、赤色巨星はⅡ型超新星爆発での説明の通り、核融合が進み赤く膨張した状態だ。

つまり死んだ星死ぬ前の星が起こす超新星爆発がⅠ型で、白色矮星と赤色巨星が互いに周り合っている連星において赤色巨星の不安定な外側のガスが重い白色矮星の方に流れ込んでいくと、十分な質量が無かった為に核融合を終えていた白色矮星は赤色巨星から得たガスによって急速に核融合反応を始めて超新星爆発を起こすのだ。このⅠ型超新星爆発は明るさがほぼ一定で起きるので、例えばその超新星爆発が起きた銀河までの距離を正確に測る宇宙の“ものさし”のような現象となる。超新星爆発の後は中性子星ブラックホールが残り、爆発した場所では超新星残骸と呼ばれる天体が確認できる。


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1054年に超新星爆発を起こしたと言われる超新星爆発後の残骸。藤原定家の『明月記』にも当時の超新星に関する記述がある。

現在、オリオン座のベテルギウスが超新星爆発の可能性があるとして世界中の天文学者が注目している。天文学においての歴史的な超新星爆発を目撃するのは明日かもしれない。
超新星爆発の際には金や銀などの重い元素も生成され、それが宇宙に拡散する事で,新しい星の形成に繋がる。地球も、我々の身体も、構成している物質は超新星爆発によって生み出されたものなのだ。

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