健康寿命に大きく影響する「ロコモティブシンドローム」とは?

2016年2月26日

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日本は現在、高齢化社会の域を超えて超高齢化社会と呼ばれるほど高齢化が進んでおり、65歳以上の高齢者は総務省の発表によると2015年9月時点で26.7%で人口の約4人に1人の割合となっている。

そんな中、現在注目されているのがロコモティブシンドロームである。最近になり一般に広く浸透し、「ロコモ」という略称で呼ばれることもあるこのロコモティブシンドロームとは何か?

ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)――これは「運動器の障害により要介護リスクが高い状態」のことで、筋肉や骨関節,神経などに障害が起こり、立ったり歩いたりする運動機能低下して要介護になるリスクが高い状態、またはその状態に見られる諸症状のことを指す。

ただし、あくまで日本整形外科学会が提唱している概念であり世界共通の医学的な名称ではない事に注意が必要だ。似た概念に「サルコペニア症候群(加齢性筋肉減少症)」があり、この症候群は加齢に伴う運動器障害に限られるが、世界的な認知度は本症候群よりサルコペニア症候群の方が高い。また、サルコペニア症候群もロコモティブシンドロームの形態の1つとして位置付けられる。

ここで、ロコモティブシンドロームの簡単なセルフチェックをご紹介しよう。1つでも当てはまればロコモティブシンドロームの疑いがある。

1.片足立ちで靴下を履く事が出来ない。
2.家の中でよくつまずいたり、滑ったりする。
3.階段を上るときは手すりがなければ難しい。
4.掃除機の使用や布団の上げ下ろしなどのやや重い仕事が困難である。
5.重さ2kg程度(1リットル牛乳パック2本分)の買い物をして持ち帰るのが困難である。
6.休まずに15分続けて歩くことができない。
7.横断歩道を青信号で渡りきることができない。

高齢者でなければ当てはまる事はほとんどないが、片足立ちで靴下が履けない方は運動不足による筋力低下が起きている可能性があるので運動習慣の見直しが必要だ。厚生労働省の調査によれば要介護になる原因第1位運動機能障害に由来するもので25%を占める。運動機能障害は運動習慣によりある程度ならば未然に防ぐことができるが、認知症脳血管障害よりも運動機能障害は要介護になる割合が高いのだ。

また、ロコモティブシンドロームは健康寿命にも大きく関わっている。健康寿命とはWHO(世界保健機関)が提唱した「健康で活動的に過ごす事ができる期間」の事で要介護予備軍のロコモティブシンドロームを予防する事は健康寿命を延ばすことにも繋がるのだ。

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