美しいオーロラはどのようにして発生するのか?

オーロラ

地球上で見られる現象の中で最も神秘的な美しさを誇るオーロラ。名前はローマ神話の夜明けの女神アウロラに由来しており、その人智の及ばぬ美しさから凶兆や不吉の前触れとして恐れられてきた。現在でも未解明な部分の多いオーロラだが、このオーロラは一体,どのようにして発生しているのだろうか?

太陽は「太陽風」と呼ばれるプラズマの荷電粒子を放出する現象が起きると、2~3日かけて地球に到達する。これが地球の磁場によって北極や南極に運ばれ、この荷電粒子が上空100km以上の電離層で酸素分子や窒素分子と衝突して発光する現象がオーロラであると考えられている。オーロラの発生機序についてはまだ未解明な部分も多い。

オーロラは高緯度になるほど見えやすいと思われがちだが実はそうではない。オーロラを最も見やすい地域は北極や南極を中心とした緯度70度程度の環状になっているのだ。このオーロラが最も見やすい環状の地帯はオーロラベルトまたはオーロラオーバルと呼ばれている。

オーロラ
ISS(国際宇宙ステーション)から撮影したオーロラ。

オーロラの色は大気中の原子や分子と高度によって決定され、100km付近では窒素分子や窒素分子イオンによって紫色やピンク色を呈する。また、250km以上になると酸素分子は高密度となり赤色を呈するが250km未満では高いエネルギーを持つ高速の荷電粒子と衝突するため酸素分子は緑色を呈するようになる。これらの異なる高度と原子の違いが、オーロラ特有のコントラストとグラデーションを生み出しているのだ。


オーロラは発生場所や時刻で全く違った景色を私達に見せてくれる。形状や色合いが瞬間で刻々と変化するオーロラは同じ時期,場所,時間,撮影方法であっても同じ写真を撮る事は二度とない。

極地付近でしか見られないオーロラだが、太陽活動が活発な時期では稀に日本でもオーロラを観測することができる。古くは日本書紀や明月記にも「赤気」として赤色のオーロラが発生した記録が残っている。現在でも北海道では10年に1回ほどの割合で観測される。

また、1979年3月にボイジャー1号によって木星のオーロラが確認されており、その後の観測では土星や天王星,海王星でも同様にオーロラが確認されている。発生要因であると考えられている磁場と大気があれば地球以外でもオーロラが発生するのだ。

土星のオーロラ
ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された土星のオーロラ。

日本でも様々なオーロラ観測ツアーが企画されている。太陽からのプラズマと地球の磁場が生み出すこの神秘的な現象をぜひ一度、体験されてみてはいかがだろうか。