冬に見られるふくら雀とは

2015年12月31日


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寒さが始まる時期に雀を見かけると、大きい個体と少し小さい個体が混在している姿が確認できる。この個体の違いは単純にオスとメスの違いだけではない。実は冬の寒い時期になると、スズメに限らず鳥類は羽毛を膨らませるように逆立てることで、中に空気の層を作って体温の低下を防いでいるのだ。特に、このように羽毛を逆立てている雀は「ふくら雀」と呼ばれる。冬にスズメが膨らむ姿は古くから知られており、ふくら雀は冬の季語としても用いられる。また、「福来雀」という字があてられ大変縁起が良いとされている。


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飛び立つ際には逆立てた羽毛を収縮させる姿を確認することができる。同じ集団内でも羽毛を逆立てている個体にばらつきが生じ、前述のような大きな個体と小さな個体が混在している状況が生じるのだ。

このように大変かわいらしいふくら雀だが、画像検索でカタカナを使って「フクラスズメ」と調べてはいけない。きっとおびただしい数の毛虫の画像に戦慄することになるだろう。ふくら雀はその姿から、歴史的に「丸く膨らんだもの」を指す言葉に使われているのだ。出てきた蛾や毛虫はフクラスズメと呼ばれるチョウ目ヤガ科に属する一種で、成虫の太く丸い形態暗茶褐色の体色波状の紋模様,そして毛に覆われている様子から名付けられたのだ。他にも、ウグイスガイ科に属する貝の一種にもフクラスズメと呼ばれる種が存在する。


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また、振袖の帯の結び方にもその名があり、ふくら雀が羽を広げたような大変可愛らしい着付けとなっている。これから寒くなるにつれ、見かける事が多くなるふくら雀。ふっくらとした身を寄せ合いながら寒さをしのぐ、その愛嬌のある姿に心温まる。

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