宇宙から帰還する時に起きることとは?

2015年12月14日

2015年日本時間11日の午後10時12分頃、油井亀美也(ゆい きみや)宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)からロシアの宇宙船「ソユーズ」で無事帰還した。 現在は地球環境での順応に励んでいるという。

ソユーズ

油井亀美也宇宙飛行士が搭乗したものと同型のロシアの宇宙船「ソユーズ」。

宇宙から地球へ帰還する時には様々な困難が待ち構えている。宇宙飛行士は大気圏再突入をする1時間前に1リットル程度の水分2粒の塩の錠剤を摂取するそうだ。宇宙飛行士が無重力状態で長期間滞在していると体内の血液量が減少してしまい、1か月の滞在で約8%、2ヶ月なら約13%、3ヶ月にもなれば約16%の血液が減少してしまう。 大量の水分の摂取は、この減少した血液量を速やかに補うために行われるのだ。日本人女性初の宇宙飛行士である向井千秋氏は2度目の飛行から帰還する際にグレープドリンクとレモネードを合わせて1リットル近く飲んだそうだ。

帰還する際に問題となるのは宇宙飛行士だけではない。宇宙船の機体は大気圏に突入するときに激しい熱にさらされる。熱が発生するのは,機体の先端が大気と衝突する摩擦によるものと思っている人が多いかもしれないが、実は先端部分によって押しつぶされた空気の原子や分子が激しくぶつかり合って熱が発生する「断熱圧縮」によるものだ。

そのため機体は温度と強度に耐えられる素材が必要で、現在ではもう見られなくなったスペースシャトルの先端の黒い部分は炭素繊維強化炭素複合材(カーボン・カーボン・コンポジット)が、他の部分はそれぞれ白と黒のセラミックタイルが使用されていた。

スペースシャトル”アトランティス”
発射前のスペースシャトル「アトランティス」。スペースシャトルは2011年7月9日にアトランティスがISSへの物資供給を最後に運用は終了した。

現在では宇宙開発は民間事業としても進められており、宇宙からの帰還を身をもって体験できる日もそう遠くないかもしれない。

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